野球肘になってしまったら | 野球肩と野球肘(ブログ)〜親と監督と病院が大事〜

野球肩と野球肘(ブログ)〜親と監督と病院が大事〜

 子どもの野球肩と野球肘は、親・監督・病院の3つがそろってないと治すことがで
きません。ここでは暗に監督批判と病院批判を交え、野球少年のために書いてみます。
野球医学の専門家であり野球の指導者であり、野球選手である人物の話です。



〈 小学生の野球肘について 〉

野球肘になってしまったら、
まず病院へ行ってレントゲンを撮ってもらいましょう。

ただ中には、野球肘を見逃してしまう整形外科の先生がたまに居ます。

レントゲンで異常なし→心配ない
レントゲンで異常あり→心配

これが普通だと思うのですが、野球肘はそんなに簡単ではありません。なぜかと言いますと、レントゲンでは非常に分かりづらい野球肘が存在するからです。

正面

側面


これは同じ指を方向を変えて撮った2枚のレントゲン写真です。(私の指)
上は異常がなさそう。下は完全に折れてる。
レントゲンは撮る方向によって、写る写真はまったく違ってきます。

ここがポイントなのですが、野球肘専門の先生はレントゲンを撮るのが上手。一般の先生はレントゲンの撮り方が普通。

これによって、専門の先生は野球肘を詳細に理解してくださいます。
一般の先生は野球肘を普通に理解してくださいます。

結果、専門の先生は症状が早期の状態でもすぐ見抜いてくださいます。
一般の先生は症状が悪化してから気付くときが時々あるような気がします。

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正直なところ、最も専門である整形外科の先生でも野球肘を見落としてしまうことがあるというのが現状です。すなわち、レントゲンを撮れない整骨院や接骨院、鍼灸、整体治療院では診断精度はまったく話にならないと思います。

こんな現状の中、患者さんはどうしたらいいのか?

最善は整形外科へ行ってください。
そして痛みがなくなるまで投球動作を禁止してください。

病院の先生に野球をしてもいいと言われたから、痛いのを我慢して野球をしました。←これが大きな間違いなのです。

小学生、中学生の野球肘は痛かったら絶対にボールを投げてはいけないのです。ケースによっては野球だけではなく、バスケもとび箱も鉄棒も禁止。

痛みを我慢して野球やほかの運動をしたらほとんどのケースは悪化します。

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良い野球チームと悪い野球チーム(私の主観です)

良い野球チーム→痛い選手は試合に出さない
悪い野球チーム→痛い選手を試合に出す

ぎりぎり9人しかいない野球チームがあったとします。1人ケガをして8人になってしまったから試合ができない。こんなとき、皆さんのチームの監督さんはどうなさいますでしょうか?

1人のために8人に我慢してもらうのか
8人のために1人に我慢してもらうのか

私はただ子どもの将来の可能性をつぶさないで欲しいと願っているだけです。無理をして悪化させて、将来に痛みを持ち越したらかわいそう。

小学生のときの無理が中学生になって出てくるケースもあります。選手は辛い思いをして手術。結局、治るまでにトータルで1年以上かかるときも。

責任は小学生のときに無理をさせた監督さんにあるはずなのに、卒業して会うこともないから、手術をしたなんていう話はまったく知らず。

もちろん初期の野球肘に気付かなかったお医者さんと整骨院の先生も。

あと多いのが病院で試合には出ないでくださいと言われたのにも関わらず、チーム事情を考慮して先生の指示に従わなかった親御さん。

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おそらく子どもの野球肘って、野球に関わるすべての大人が加害者になる可能性があるのだと思います。

そして被害者は子ども。

私は野球って楽しいもので、野球って誰のためのものかと聞かれれば子どものためのものだと思っています。

みんなに楽しんでもらってホームラン打ってもらって、野球の楽しさが大きく広がればいいなぁと野球好きな小学生を見ていて思うようになりました。

ソウヤくん、ヤマトくん、ユウトくん、サスケくん、ユウスケくん、ダイキくん。まだまだ書ききれないたくさんの野球少年たち。これから大活躍してくださいね。

期待してますよー(^_^)

高井戸整骨院 もりひでとし


8月9日(土)に国内最大規模の野球肘学会が山形で開催されます。
オープンな学会です。