中古住宅の品質を保証する保険ができるそうです
今朝の報道によると、政府は中古住宅の売買で欠陥があった場合に備えて、保険を用意することにしたようです。
中古住宅の場合、万一欠陥があったとしても、売主が個人であれば後々責任を負担してもらうことが困難なケースが多いと思われます。
そのため購入する人も安心して中古住宅を購入することができず、中古住宅の流通が増えないと言われています。ちなみに欧米では住宅流通に占める中古住宅の割合は70~90%なのに対して、日本では13%にとどまっていると書かれています。
中古住宅の品質を担保する保険ができることは大変良いことだと思います。永く孫子の代まで使える住宅を普及させることは、経済的にも地球環境の点からもメリットの方が多いと思います。
ただ、これで中古住宅の取引が増えるかというと、なかなか難しいと思います。確かに欧米と比較して取引される数は少ないのですが、これは文化の問題が多いように思います。
つまり人が使った住宅には「ケガレ」があると感じることや、四季がはっきりしており、地震や台風にさらされる日本の家屋は、壊れたら建て替えれば良いという意識が高いことなどが挙げられます。
また、アメリカなどと違って住まいを転々と渡り歩くほど移動が盛んでないこともあります。
ですから、一概に取引量を増やすことを狙う必要もないと思います。
認定長期優良住宅の制度も間もなく始まりますが、この制度は新築偏重の制度でもあります。中古住宅の信頼性を高めることは良いことですから、この制度を中古住宅にも利用できるよう、もっとリフォーム重視の政策を出すことも必要でしょう。
いずれにしても自分の住宅をいつまでも大切にしていただきたいと思います。
住宅は今買いどき建てどきなのか?
ハウスメーカーから『今住宅は買いどき建てどき!』というセミナーをしてほしいという依頼が増えています。
個人的には、住宅は家族が欲しいと思ったときが旬だと思っていますが、どうしても経済的に損か得かという議論を期待する人がいるので、このようなセミナーが多いのでしょう。
そういう前提を理解していただいて、現実には住宅は「一定の条件付で買いどき」と言えると思います。
住宅が経済的に買いどきかどうかの判定には5つの要素があります。
1.価格が相対的に安いこと
2.金利が安いこと
3.供給量があること(いくら安くても物件が少ないと選べませんから)
4.税制(今年は減税のオンパレード)
5.品質が確保されていること(いくら安くても安かろう悪かろうではいけませんから)
現状では、5を除く4つの要素が確定していますので、あとはその住宅の品質が確保されているかどうかの確認をすれば「ここ数年では買いどき」と判定できます。
一定の条件というのは、その点のほかに・・・
1.どうも金利が上昇しそうなので、その前に買うかどうか。
今朝の日経新聞にも国債の大量発行を睨んだ金利の上昇が始まっているとの記事がありましたが、過去にも財政出動したあとには金利が大きく上昇していますので、今年のような過去最大の借金となれば、ある程度の上昇は否定できません。
2.価格は値引き交渉した価格であること。
価格が安いといっても、通常の売り出し価格は大きく下落していません。必ず値引き交渉してみて、適正価格にして契約するというのが1の条件となります。
いずれにしても、経済的な条件が揃っているからということだけで住宅を購入する必要はありません。家族が住宅を必要とする理由をよく話し合って計画していただきたいと思います。
住宅ローンを有利に選ぶ・見直す方法
昨日の『不況に強い家計を作ろう!住宅ローンの見直しと選び方』のセミナーには、新型インフルエンザ騒動の中、キャンセルも出る中、多数のご参加をいただきました。ありがとうございます。
住宅ローンのセミナーをすると必ず出るご質問が、昨日もありました。「住宅を購入するとき、自己資金を多くした方が良いか。ローンを借りられるだけ借りた方が良いか?」です。
FPとしては、「それぞれのご家計のシミュレーションの中で決めましょう。」というのが模範解答なのでしょうが、最近の私の考えは「日本は、これから長期デフレ社会になると考えます。デフレとは物価の継続的下落のことですので、返済金額が長期間確定するローンは極力借りない方が良いです。」
「逆にインフレになると予想するのであれば、20年前までの日本のように物価が上がるので借り入れを目一杯しておけば得になります。」
今は金利が安いので、目先は1%の低利で住宅ローンを目一杯借り、住宅ローン減税で所得税が1%分戻ってくるので、実質0金利。手元の自己資金を運用すれば、お得になります。という意見もありますが、長期で見てデフレと考えるのであれば借り入れは不利になります。
みなさんはどう思われますか?
一番有利な住宅ローン選び・見直し
今日は、午後から『不況に強い家計を作ろう!住宅ローンの見直しと選び方』というセミナーを、弊社グループ主催で担当します。
自社絡みのセミナーは、全部本音で話せますので楽しいですし、お客様にとって有利な話ができると思います。
実は、今日使うレジュメは、先日ある大手ハウスメーカーさんから『誰も話さない住宅ローン選び』というテーマで依頼されたとき作ったレジュメです。
しかし、この内容はハウスメーカーさんの事前チェックで半分ほどカットされてしまいました。
「こんなこと話してもらうと、うちの営業マンの手間が増えて大変になる。」とか「提携先金融機関に申し訳ないから。」というのがその理由です。
今や企業は顧客志向・CSの時代のはず。お客様に一番利益になる情報を提供するのが、優良企業の条件ではないかと思います。
しかし、そこは私の理想論。実態はそういうわけには行かないらしいです。当然のことながら営業成績と効率が重視されます。
カットしてしまうと『誰も話さない~』という部分がなくなってしまい、『普通に書籍などに載っている住宅ローン選び』になってしまいます。
そこで本日のセミナーでは、カットされた箇所もすべてお話しますので、お客様にとっては最も有利な住宅ローンを探すことができるノウハウを聞くことができるのです。
私はFPという仕事をしていますので、お客様である個人にとって有利になる情報を提供し続けようと思っています。この天邪鬼さ故に、なかなか儲からないんだよなぁ・・・
裁判員制度が始まりました。
昨日から裁判員制度がスタートしました。是非はともかく、市民が裁判について真剣に考える機会ができたことは画期的と評価したいと思います。
私は学生時代、たまに裁判を傍聴に行っていました。法学部とはいえ、早々に法律の勉強を断念したのですが、その後映画の研究をしていたときに、表現の自由を巡って争われた『日活ポルノ裁判』を調べなければならないということで、何度か行ったことがあります。
検事側と弁護側で繰り広げられるバカバカしい質疑に、法律とはこんなことをするためのものなのかと呆れたものです。
毎回裁判終了後に、評論家の鈴木清治さんや女優の田中真理さんらと日比谷公園の松本楼でビールを飲み交わしたことの方が思い出です。
今私の仕事では、欠陥住宅など住宅・不動産に関するご相談が多く、場合によっては訴訟をしないといけないという相談もあります。
しかし、裁判は必ずしも正しい者が勝つというものではありませんし、事実が真剣に争われるというものでもないことを知っておいた方が良いと思います。
できることなら、訴訟にしないで解決した方が良いと思っていますし、特に住宅・不動産においては、専門家とお客様の情報格差が激しいので、専門家側がより慎重にお客様に接することで、トラブルや訴訟にならないように努めることが必要だと思います。
弊社でお受けするご相談で、すでにトラブルになりつつある件については、弊社がアドバイスをすることができません。法律行為になってしまいますので、弁護士さんや司法書士さんに引き継ぐことになります。
できることなら、そのようなことにならないように、お客様側のアドバイザーとなりたいということでこの仕事をやっております。