エスクローおじさんのブログ -460ページ目

良い土地を探すための不動産業者との付き合い方

昨日は住宅展示場メーテレ八事ハウジングで『住まいづくりアカデミー』を開催しました。セミナータイトルは『土地から探す・良い不動産業者の見つけ方』。


今から初めて土地探しをするという若いカップルをはじめ、熱心なお客様に聴いていただきました。具体的な質問も多数いただき、まるで個別相談会のような白熱したセミナーとなりました。


住宅展示場のセミナーは比較的少人数であることが多いので、具体的な話をお聞きになりたい方にとっては有効な場所です。是非ご活用ください。


通常の弊社への相談は有料ですから、無料で具体的な話が聞けるのはラッキーです。


昨日の話の最も重要なポイントは、「土地探しは、あくまで売り手優位の市場だということを理解すること」です。


一般の商品ならAデパートの担当者が気に入らなければBスーパーへ行って買えば良いでしょう。


あるいはその商品自体が気に入らなければ、別の類似商品を買えばよいでしょう。


しかし、土地は2つとして同じ土地はありません。この土地を気に入ってしまったら、その土地を担当する不動産業者を通して買わなければなりません。


土地が余っている現在でも、やはり「その土地」を買おうとすれば、売主や不動産業者優位の市場なのです。


ここを理解した上で土地探しを始めると、意外にスムーズに良い土地が見つかります。


自分の土地に対する要望を整理して提示し、不動産業者をうまく使って探し出す。これがコツです。


終了後アンケートでは「初めて聞く話で大変役に立った。」とか「やはりプロに聞いた方が効率的だと思った。」というご感想をいただきました。


不動産業者が教えてくれないノウハウをご提供したので、みなさん良い土地を探すことができると思いますよ。


住宅ローンは変動金利か固定金利か?

不動産業者向けの住宅ローンの研修会をすると、必ず出る質問が「お勧めの住宅ローンは、どのようなローンですか?」というものです。


端的に言えば、変動金利型を進めるのか固定金利型なのかということです。


どうも「FPはフラット35をはじめとする長期固定金利型を勧めるものだ。」という先入観があるようで、先日も「変動金利型を勧めることも意外に多いのですよ。」と答えたところ苦笑が漏れました。


この質問に対する正解は「人によって違います。」というもので、一律すべての人にお勧めするローンなどありません。


例えば、期間10年で返済できる人や年収に対する返済比率が10%の人は変動金利型で良いでしょうし、毎日金利のことを気にしていられないという人は長期固定金利で良いのです。


これを何が何でも変動金利に持って行こうとするのは、単に見かけの返済金額を小さくして住宅を売りやすくしようとする販売側の論理に過ぎません。


アメリカの国民は、住宅ローンは固定金利で借りて貯蓄は投資でリスクを取る傾向になりますが、日本の場合は、住宅ローンを変動金利でリスクを取って、貯蓄は普通預金か定期預金という傾向が見られます。


どちらが良いとは申しませんが、住宅を買う人の家計の分析をして住宅ローンを提案している不動産業者・建築業者はほとんどいないので、困ったお客様はFPに相談に来るのです。


もう一律特定のローン商品を勧めるということをやめませんか。そのお客様に一番合った住宅ローンを提案しましょうよ。


不動産業者や建築業者は、いちいち家計の分析などやっていられないでしょうから、FPと連携してきちんと説明責任を果たせばよいではありませんか。


両者なんとかうまくできないものでしょうかねぇ・・・







アベノミクス第3の矢と贈与経済

安倍総理は「アベノミクス第3の矢」の1つとして「GDP600兆円達成!」を掲げました。


第1の矢も第2の矢も達成していないうちに、第3の矢とはお元気なことですが、目先のキャッチフレーズに弱いマスコミや国民にとってみれば、なかなか心地よい目標です。安保法制から目をそらすためにも、そこそこ良くできたキャッチフレーズです。


昨夜のわが家の夕食の献立です。(唐突にごめんなさい)


1.知人の蕎麦マニアさんからいただいた手作り茶蕎麦。(はっきり言って、その辺の蕎麦屋には行けなくなるおいしさ。)


2.北海道の親戚から送ってもらった、これも手作りのイクラの醤油漬け。(これを食べたら、市販のイクラは食べられません。)


3.実家から送ってきたマツタケを甘露煮に。


4.デザートは、岡山県の知人のFPさんが自宅で育てた無農薬の柿。(ぶどうやイモも育てている広大な敷地です。農地ではありません。)


何でわが家の献立を持ち出したかというと、私達がもし毎日このようなリッチな食生活を続けると、アベノミクスの「GDP600兆円の達成」に赤信号が点るからです。


何故なら私がお金を出して買ったのは、そばの薬味のダイコン1本だけだから、私レベルではGDP増加にまったく貢献していないことになります。


もちろんこれらの食物を運送する、種やそばの実を仕入れる、魚を採るといった最低限のところではGDPに貢献しているのでしょうが。


つまり豊かな生活とGDP増加は同義語ではないということです。


人間の根源的な経済である「贈与経済」を充実させることの方が、より豊かな生活を過ごすことができるはずですが、どうも「GDP」とか「売り上げ」とか金銭に換算できないと心配だという人が多数派なので、いつまで経っても日本国民は豊かになれないのです。




マンション購入時に確認しておきたい資料

中古マンション購入を検討しているお客様からの相談で、どのようなことに気を付けたらよいかという質問をいただきました


一般的には売買契約書や重要事項説明書の確認ということになりますが、マンションの場合は、そんなことより住んだ後に影響がある事柄を知っておくことが重要です。


どの程度のペットなら飼っても良いのか?布団はバルコニーに干しても良いのか?ゴミ出しのルールは?理事会のメンバーになる頻度は?など、生活に直結することを知る必要があります。


また、修繕積立金の積立額が適切かどうか?大規模修繕が計画通り実施されているかなども重要です。


これらは管理規約や各種施設の利用細則、総会や理事会の議事録などで確認します。


しかし、通常の仲介業務では重要事項説明書の説明や売買契約書の読み合わせは行うものの、管理規約や利用細則・議事録の読み合わせはしません。


どさっと資料を渡されて、「お時間があるときに読んでおいてください。」と言われるのが普通です。


これでは肝心の入居後の生活がわかりません。


そこで今回のご相談では、事前にこれらの資料を取り寄せていただき、弊社で内容を解説することにしました。


これを理解した後に契約に入るという流れにしておけば、入居後に「こんなこと知らなかった。」と言わなくて済みます。


今回のマンションでは、重要な事柄が発見されたので買主さんからは「十分理解して契約することができて良かった。」とのこと。


是非契約前に上記資料を取り寄せて確認していただきたいと思います。資料を集めてくれた仲介業者さんにも感謝します。

子どもと車のないライフプラン

住宅を購入しようというお客様からの相談があったときに、最初にやることは家計のキャッシュフロー表を作成して、住宅購入後の家計の健全性や老後資金を確認することです。


せっかく素敵な住宅を購入しても、節約の毎日を過ごしたり、老後破産では忍びないですから。


いろいろな家計のシミュレーションをすると、子供がいない家庭と車のない家庭はほとんど健全になります。


子ども一人を幼稚園から大学まで留年しないで国公立に通わせると、教育費は約1000万円。被服費や娯楽費は別です。


私立大学に通わせたり下宿させると1500万円とか。医学部薬学部はもっと多い。


ざっと子供一人で1500万円かかるとわかります。


車はどのようなグレードの車をどの位の頻度で買い替えるかによりますが、多いのは下取り価格を除いて200万円程度の車を10年ごとに買い替えるパターンで、これで5回買い替えると1000万円。


車検代や自動車税・自動車保険を負担すると、かれこれ500万円。ガソリン代や洗車代は別です。


車を1台保有すると一生に1500万円かかります。


結局のところ、子供2人と車1台の家庭は4500万円必要になり、これらがまったくない家庭と比較すると老後資金に相当な差が出ます。


車1台と子供1人を同様に扱うのは不謹慎ですが、ファイナンス的に見るとそれが実態です。