奈良県 三輪明神大神神社。 | H i Bi no A T O

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風景写真家 高橋智裕のBLOG
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奈良県桜井市にある三輪山は、日本最初の歴史書『古事記』にも出て来る神の神域です。
その麓にある大神(おおみわ)神社は、その三輪山をご神体にしています。
三輪山には、大国主神(おおくにぬしのかみ)が自らの魂を大物主神(おおものぬしのかみ)の名前で鎮めた山で、現在でも入山する場合には下記の約束事が存在します。

・襷(三輪山参拝証)を首に掛けて登ること
・タバコをはじめ、火気は絶対に使用しないこと(火気厳禁)
・カメラ類などを持って入らないこと(撮影禁止)
・草木・キノコ・鳥獣・土石類を持って帰らないこと
・お供え物・ゴミは放置せず、必ず持ち帰ること
・飲食をしないこと(登拝に際しての水分補給を除く)

そして、3時間以内に下山しなければなりません。

大国主神は、そもそも出雲の国を治めていた神で、大和の国を収める天照大神に譲ったとされています。いわゆる武力で大和の支配下に治めたということですね。
しかし、天照大神は、強大だった出雲の国を治めた大国主神を重んじ、その魂を三輪山に鎮め大和の国の守り神として祀り続けました。
この強大な二国が1つになり、大和律令国家が成立されたということから、大国主神は国造りの神と崇められ、この三輪山は国家完成の地とされています。

最近、三輪山へ入山する人たちのルールやマナーの悪化が見られるそうです。
携帯電話で写真を撮ったり、堂々と一眼レフカメラを持ち、撮影したり、歓声を上げながら歩いたりと・・・。
世界遺産となった、日光・熊野・神宮・富士山などでもマナーの悪い人たちによって荒らされているそうです。
神社仏閣などをはじめとした信仰の場は、流行りで行くところではありません。
そして、いにしえから伝わるその姿を穢してはなりません。
ひとりひとりが、自分だけではなく、後世の人たちにも同じ姿を伝えて行かなければならない義務を負っているということを自覚しなければなりません。
いにしえから伝わる、歴史と伝統を現代の我々で途絶えさせてはならないのです。
それが、世界遺産をはじめとする歴史遺構の真の意味ではないでしょうか。




(大神神社参道)


(大神神社拝殿)


(三輪山登山拝口。入山は、午前9時~午後4時、受付は午後2時まで)


(大神神社境内に鎮座する成願稲荷神社)


(大神神社境内に鎮座する崇神天皇を祀る天皇社)


(大神神社境内に鎮座する市杵島姫(いちきしまひめ)神社)


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