加藤貴子オフィシャルブログ「UCKY SMILE」Powered by Ameba -283ページ目

 『中秋の名月』

台風の被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
一刻も早く被害が回復しますように。




『中秋の名月』と聞くと、6年前に見た中秋の名月(その時は満月でした)を思い出します。


それは2度目の稽留流産の後でした。



当時の私はまるで、私自身の『脱け殻』のようでした。

自分自身のネガティブな感情に振り回されるのを恐れて、感情が湧くそばから反射的に次々蓋をしていたら、いつの間にかポジティブな感情からも遠ざかるようになってしまって、結果、能面とまでは言わなくても、かなり喜怒哀楽に鈍感な生活になっていました。

そのくせ、起こった出来事を必要以上にネガティブに捉えて自分を裁くことは止められず、常に罪悪感や焦燥感のようなものを纏っている状態でした。

なんとか自分を保つために、日常をやり過ごすために、『脱け殻』でいたんだと思います。

冷静に考えれば、そんな不自然な状態は長続きするものではないと判断できますが、当時は苦しみの中で身の置き場に窮して、それこそ苦し紛れに、喜怒哀楽から遠ざかる態度になってしまっていたんだと思います。


そんな私に、

「きれいな月だよ」

と、仕事場から主人が電話をくれました。


その時の月が、中秋の名月でした。



美しい月が夜空を照らしていました。


本当にきれいなお月さまでした。



その月を眺めていたら、堰を切ったように涙がポロポロ溢れてきました。

私自身、特に悲しみの自覚があるわけでもないのに、なぜか涙が止まりませんでした。

それまでの人生で一番泣いたのではないかと思います。



私はその時まで、ものごころついたときから、

「泣きたいときは我慢して、むしろ笑って過ごすことが強くて美しい!」

といった観念が、心に根づいていました。

ですがこの考え方は、とても不自然な状態を生む素にも、なってしまっていたんですね。

しかも私は、不妊治療を滞りなく行うためと称して、喜怒哀楽を意識下に抑えてしまっていたので、さらに不自然な心に何層にも蓋がされ厚くなってしまっていたんですね。

結果、澱んだ感情ははじけてしまい、衝撃が大きい分、涙が止めどなく溢れてしまったのだと思います。


今では、あの時はじけてくれて本当に良かったと思っています。


大泣きしながらごく自然に

「私、自分のために泣いてあげることなかったな」

と思うと同時に

「私、がんばってるな」

って思えたのです。

へそ曲がりの私が、なんと、素直に。



この日を境に私は、自分との付き合い方が変わりました。

もちろん根強い思考癖は簡単には抜けなくて、今でも後悔したり自分を裁いたり、相変わらず抑制の利かない感情に振り回されたり、もがいたりもしていますが、湧き上がってくる感情に無視だけは決め込まないように、心がけています。

あれから6年経って、その間、嬉しいことも悲しいことも辛いことも楽しいことも、色々なことが起こりました。

その都度、湧いてくる感情に充分に付き合って、手放すようにしています。

そんなことを繰り返しながら今、再び豊かな日々を育むきっかけを得られたのは、あの時だったと思います。



そして、些細なことでも自分を褒めてあげられるようにもなりました。


みなさん、自分を責めてませんか?

たまには自我自賛、いや自我絶賛、してみませんか?


ちなみに最近の私の自我絶賛。

公共施設の集会所の使用団体登録手続き。

こういった手続きは超苦手だけど、超めんどくさいけど、代表してやってみました。
(うわー、ちっちゃーい、はずかしー、けどまあ、誰に迷惑かけるわけでもなし、褒めてみました!気分が良くなりテンション上がりました(^o^))
















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