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「財務省の国家的詐欺(前半)」三橋貴明 AJER2024.4.30

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。

 

消費税のカラクリと日本政府の巧妙な手口〜メディアが報じない「国の借金」の大嘘 [三橋TV第854回]大島九州男(れいわ新選組)・ 三橋貴明・saya


https://youtu.be/9gHr30U48WI

 

 自民党の積極財政派は、投資系(研究開発、教育、少子化対策などの投資的経費含む)について、プライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)から外そうとしています


 改めて考えると、PBを見る際に、研究開発など「投資的経費」はもちろん、それ以前に「公共事業」を歳出側に入れているのは異様ですよね。


 理由はもちろん、公共事業によるインフラ建設もまた、代表的な「投資」であるためです。
 

 以前(十年くらい前)、西田昌司参議院議員(財政政策検討本部長)と、
「PBに建設国債による支出まで入れているのは変だよね~」
 と、話したことがあるのですが、その際に、西田先生が、
財務省は公共投資どころか、財政投融資による貸付もPBに入れようとしている」
 と、返されて、「財務省、マジ頭がおかしい」と思ったものです。


 財政投融資は、単に政府が「借りて、貸している」だけです。代表が、JR東海が建設しているリニア新幹線への融資ですね。
 

 融資なので、支出ですらありません。単なる貸し出しまでをも、「歳出」側に入れようとしていたわけです。

 

 さすがに財政投融資をPBに入れるのは意味不明ですが、建設国債による投資系支出は、相変わらず残り続けました。


 例えば、企業が1億円で工場を建設したとします。資金は銀行からの融資。
 バランスシート(以下、BS)は、


【企業のBS】
借方         貸方
銀行預金1億円  借入金1億円

借方         貸方
工場1億円     借入金1億円


 と、なります。


 1億円借りて、1億円支出したとして、その金額がそのまま損益計算書(以下、PL)で費用計上するわけではありません。


 例えば、工場を10年間、使うとすると、


【企業のPL】
売上 1億円
 売上原価 5千万円
 粗利益 5千万円
   工場建設の減価償却 1千万円(=1億円÷10)
   人件費 2千万円
   営業利益 2千万円


 といった形で、工場建設費の一部しか費用計上されないため、利益が残るのです。

 

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 当たり前ですが、企業の経営者にしても、「その年の収支」を見る場合は、工場建設費は減価償却分しか見ません。なぜならば、「来年も使う」ためです。

 まずは、企業の減価償却の考え方すら無視し、投資系支出をPBの歳出に入れている政府、財務省は「異様」なのです。


 もっとも、企業が投資するのは「利益」のためです。黒字になるからこそ、投資するのです。


 それに対し、政府の場合は投資の目的が「利益」にはならない。理由は、そもそも政府はNPOだからです。


 国民の豊かさや安全につながるのであれば、投資をすればいい。赤字の公共事業はやめろ、ではない。赤字になるからこそ、政府がやるんですよ。


 赤字云々言ったら、一般道路建設は全て赤字。何しろ、通行料を徴収できない。さらには、自衛隊の維持も赤字。何しろ、便益(戦争、災害など)がなくとも、費用(自衛官の給与など)は払い続けなければなりません。


 国家、政府とは、そういうものなのです。


 企業の場合は、「資金調達」して支払うため、赤字は困ります。それに対し、政府は国債発行と支出、借り換え、日銀国債買取といった諸財政手段により、赤字を気にしなくていい。というよりも、気にしてはいけない。


 そもそも、赤字(=国民の黒字)を増やすことを義務付けられている政府が、企業の減価償却的な考え方さえ無視し、投資系支出までをも含めたPBという収支(黒字化)を目標としているわけでございます。


 まさに、異様、でしょ。

 

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