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日経ビジネスオンライン連載第六回
「日本こじ開け戦略」とここまで一致 FTA/EPAで十分なはず、アメリカの思惑はどこに?」 掲載されました!
1995年の阪神大震災は、今から振り返ってみると日本の大きな「転換点」になりました。厳密には、95年から97年までの三年間ですが。
95年と言えば、ご存知の通り自社さ連立政権で、村山内閣が震災に対して適切な対応ができず、左派系首相の政権担当能力が大いに疑問視されました。とはいえ、当時は自民党が連立内閣に加わっていたこともあり、阪神大震災の復興予算措置が何とか講じられ、日本の建設投資が回復。バブル対策の公共投資拡大の流れが継続していたこともあり、日本の経済成長率は高まりました。
96年の実質GDP成長率(対前年比、以下同)は2.6%となり、名目値の成長率も2%となりました。
【日本の実質GDP、名目GDP成長率(対前年比) 単位:%】
出典:内閣府「国民経済計算」
そして、復興予算を含めた公共投資拡大や、政府負債の拡大を受け、95年秋頃から「財政健全化」がクローズアップされていきます。95年11月には、村山政権下の国会において、大蔵大臣の武村正義氏が「財政危機宣言」を行いました。
武村氏は、大蔵大臣として公式に(何しろ、国会で宣言したわけでございます)日本財政の「危機宣言」を放ったのみならず、翌年には中央公論において財政破綻論を展開し、財政健全化のキャンペーンを行います。『中央公論』九六年六月号に掲載された論文で、武村氏は、
「このままでは国が滅ぶ-私の財政再建論-」
という悲壮的なタイトルで、
「現在の国家財政はまったく不健全であるという以上に、すでに『破綻』している」
と、最近もどこかで聞いたような主張を展開したわけでございます。
武村氏の時代から、すでに16年が経過しようとしていますが、相も変わらず日本国債の金利は世界最低を続けており、デフレ下で民間の資金需要が高まらないため、政府の負債残高が増え続けています。
95年に始まった財政健全化を目指す緊縮財政キャンペーンは、80年代以降の米英で盛んになった新自由主義に基づく「構造改革」と結びつき、橋本政権へと受け継がれました。
「供給能力を伸ばす構造改革」と、「国内需要を削り取る緊縮財政」は、コンセプトがかなり違うものだと思うのですが、日本ではこの二つが頻繁に結びつきます。すなわち、「構造改革で政府を小さくし、政府支出を抑え、増税を含めた緊縮財政を実現することで、財政健全化達成」という、何となく一連の流れとしては正しく思えるコンセプトが成立するわけです。
96年に成立した橋本政権は、まさしくこの「構造改革と緊縮財政」を強行し、日本経済をデフレのどん底に叩き落しました。
上記グラフを見て頂くとお分かりだと思いますが、97年の名目GDP成長率は、ついに実質値を上回りました。すなわち、この一年という短期間に限って言えば、日本はデフレから脱却できた可能性があるのです。
橋本政権が緊縮財政に突っ走ったのも、マクロ数値が「デフレ脱却」を示していたことが理由の一つなのではないかと推測しています。このとき、せめて三年程度、名目GDP成長率が実質値を上回るのを確認するまで、構造改革や緊縮財政を待ってくれていたら・・・・。
2011年。またもや左派系首相(菅直人氏は元々は社民連)の時期に、東日本大震災が発生いたしました。今回の震災の規模は、死者・行方不明者数はもちろん、影響範囲という点でも阪神大震災の規模を上回ります。何しろ、福島原発が被害を受けた結果、首都圏の電力供給にまで困難が生じているのです。
また、製造業の成長には、安定的な電力供給が不可欠です。世界のメーカの多くは、日本からの資本財供給に依存しています。震災の影響は、東日本はもちろん、日本全国、そして世界にまで及ぶわけです。
さらに、菅直人政権は95年頃同様に、緊縮財政(税と社会保障の一体改革)及び構造改革(TPP)を政権の目玉として掲げています。震災、政府の緊縮財政志向、構造改革と、三つが同じなのです。
日本とは、本当に不思議な国です。
95年以降の日本は、「間違えた情報」に基づく構造改革、緊縮財政路線をひた進み、国内のデフレを悪化させることを続けてきました。散々に橋本政権を批判しておいてなんですが、結局のところ、95年以降の日本経済、政策の混乱の責任は、わたくしたち日本国民、有権者の一人一人に帰されるのだと思います。間違えたのは、橋本政権ではありません。わたくしたち、日本国民なのです。
2011年。単に、劇の登場人物を演じる役者を入れ替えただけなのでは? と疑いたくなるほど、日本は95年と似た状況に陥っています。
わたくしたち日本国民は、今度はどうするのでしょうか。
『日本経済はV字型回復も、電力供給の回復次第-エコノミスト調査
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aeEm6mYkhYrI
日本経済は東日本大震災による落ち込みの後、今年7-12月(下期)には回復すると見込まれる。落ち込みの深さは電力供給の乱れが迅速に回復するかどうか次第だと、エコノミストらはみている。
ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では、みずほ証券が日本のリセッション(景気後退)入りをほぼ確実とみる一方、バークレイズ・キャピタルは地震によるマイナス成長はないとみている。9人の中央値では、4-6月(第3四半期)のプラス0.4%成長が底になると予想されている。
ゴールドマン・サックス・グループの香港在勤アジア太平洋地域チーフエコノミスト、マイケル・ブキャナン氏は「電力供給への打撃とサプライチェーンへの影響が分析を難しくしている」とした上で、電力の回復が遅れるほど、景気への打撃は大きくなるだろうと述べた。(後略) 』
ストック(生産資産)の減少は、需要の増大でもあります。
日本経済は震災により増加した需要に対応するための供給能力を、充分以上に保有しています。とはいえ、電力という「インフラ部分」が毀損したままだと、日本の供給能力は発揮されることがないのです。
また、供給能力が万全になったとしても、97年と同様の失敗を政府が繰り返すリスクがあります。政府を動かすのは、国民です。わたくしたち日本国民は、大震災という悲劇に直面すると同時に、「日本国家」あるいは「国家の将来」についてどのように考えるのかを、今、問われているのです。
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