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『08年度国の借金846兆円に 国民1人当たり663万円
http://www.47news.jp/CN/200905/CN2009050801000625.html
財務省は8日、国債と借入金、政府短期証券を合わせた国の債務残高が2008年度末で、846兆4970億円になったと発表した。過去最悪だった前年度に比べて2兆7426億円減少したが、09年度末には、不況に伴う税収減や大規模な経済対策により924兆円と初めて900兆円を突破する見通しで、財政の悪化傾向は続く。
08年度末時点で、国民1人当たりでは約663万円の借金を抱えている計算となる。(後略)』
「だから、『国の借金』じゃなくて、『政府の債務』だろ!」
とか、
「その846兆円の債務の『債権者』は誰じゃ?」
とか、
「債権者である国民の頭数で割って、『国民1人当たりでは約663万円の借金』なんて意味不明な(上に間違っている)表現使うな!」
とか、言いたいことは色々とあると思いますが、この辺の問題については、先日書き終わったK社から出る本に、完璧なソリューションを書いたので、とりあえずは放っておきたいと思います。どうせ、改めんでしょう。
しかし、今年度末に公的債務が900兆円を突破するということは、まさに絶好のタイミングで出ることになります⇒K社の本。どうせ、日本政府の自国通貨建て債務が900兆円を超えようが、1000兆円を超えようが、キャッシュフローを産み出せる政府は破綻などしません。そのとき、マスメディアはどのように言い訳をするつもりでしょうか。
う~む。。。別に狙って書いているわけではないのですが、日本社会が、あるいは大げさに言えば時代がそういう方向に動いているということでしょうか。
さて、日本の「国の借金」とやらは、どうせ国内向け円建て国債なので、どうでもいいとして、どうでも良くないのが「対外債務」です。何しろ、日本政府は日本円のキャッシュフローを産み出すことはできますが、外貨は無理ですから。
とは言え、世界最大の対外純債権国である日本の話をしたいわけではなく、欧州の話です。(タイトルから分かりますな)
以前、09年1月26日のエントリーにおいて、「英国の危機 http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/23547392.html
」とのタイトルで、イギリスの対外債務の問題について触れました。英国の対外債務残高は、対GDP比で400%に達しており、その際に使用したグラフが↓です。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_15.html#GBPUK
このイギリスの対外債務対GDP比で四倍!には仰天しましたが、K社の本を書くために欧州諸国の対外債務額を調べた結果、卒倒しそうな状況が判明しましたので、ご紹介しましょう。
日米欧主要国の対外債務残高(単位:十億ドル)及び「対外債務対GDP比率」(全て2008年)は以下の通りです。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_17.html#Taigaisaimu
イギリスの「対外債務対GDP比率」がどうでもよくなるような国が、欧州にゴロゴロしていることが分かりますね。
まあ、文句なしにルクセンブルグが最高ですが。
■ルクセンブルグの対外債務額:1兆870億ドル(およそ108兆7000億円)
■ルクセンブルグのGDP:550億ドル(およそ5兆5000億円)
■ルクセンブルグの対外債務対GDP比率:1976%(およそ二十倍)
対外債務が自国GDPの二十倍ということは、日本で言えばおよそ1京円(おお、何か久しぶりにこの単位を使いました!)を外国から借り入れている計算になります。
国民所得世界首位!のルクセンブルグの国家のモデルは、アイスランドと同じく巨額のお金を海外から借り入れ、それをより高利回りな金融商品(例:サブプライムローンを含んだ証券化商品など)に投資することで、利鞘を稼ぐというものでした。
アイスランドとルクセンブルグの違いは、アイスランドは独自通貨(アイスランド・クローナ)、ルクセンブルグはユーロという通貨面だけです。恐らくこれが、両国の運命を分けた可能性が高いと思います。すなわちアイスランドは破綻し、ルクセンブルグは「まだ」破綻していないということです。
しかし、バランスシートの貸方(右側)にこれほど巨額の債務が計上されているということは、借方(左側)には同規模の金融資産が計上されているということになります。その「金融資産」の多くがアメリカ製証券化商品な分けですが、その多くはすでに価値を大きく減じてしまっており、その「評価損」をオープンにした時点で、たとえ通貨がユーロだろうが、ルクセンブルグはアイスランドと同じ運命を辿るとしか思えません。
何しろ、ルクセンブルグの人口は、わずかに46万7000人。
国民一人当たりの「海外からの借金」は、実に233万ドル(およそ2億3千万円)にも達するのですよ! しかも、日本の『国民1人当たりでは約663万円の借金』は、
「そりゃ、実際には国民の債権だろw m9(^Д^)プギャー」
と笑いものにすることも可能ですが、ルクセンブルグの場合は正真正銘の海外からの借り入れになります。(ちなみに、ルクセンブルグにはもちろん対外債権もありますが、日本のマスメディアの例に倣い、資産サイドは無視させて頂いております。)
共同通信は、日本政府の債務について「国民一人当たり借金」などと虚偽情報を垂れ流すくらいなら、この真実洒落にならない「ルクセンブルグ国民一人当たりの借金」について報じるべきではないですか?
ルクセンブルグ国民一人当たりの「外国からの借金」は、2億円を超えているのです! ルクセンブルグ国民は、産まれ立ての赤ん坊でさえ2億円を「外国から」借り入れているというのが、真実なのですよ。
ルクセンブルグの対外債務対GDP比率に言葉を失った人は、
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