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『三橋貴明の台湾報告①』三橋貴明 AJER2015.12.15
https://youtu.be/-sSCuFZnEfU
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 明日は6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/


 本日から来週土曜日まで12日連続で講演です。ちなみに、場所は羽村市、秋田市、都内、都内、大阪市、都内、京都市、泉佐野市、沼津市、都内、福岡市、常陸太田市と、見事にバラバラでございます。


 全国を講演のお仕事で回らせて頂き、現地の経営者の方々と直接お話をさせて頂く機会が多いことは、本当にわたくしの力の源となっております。


 さて、今年はグローバリズムの「ヒトの国境を越えた移動」に、世界的に歯止めがかかる年になるのではないかと思います。もちろん、日本の場合は、ヒトの国境を越えた移動の自由化(要は外国人労働者・外国移民受入政策)に歯止めをかけなければならない、正念場の一年になるわけですが。


国境での身分証検査開始=難民流入を制限-スウェーデン・デンマーク
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201601/2016010400932
 スウェーデンからの報道によると、同国は4日、デンマークからの旅行者に対する国境での身分証明書の検査を開始した。これを受けてデンマークもドイツとの国境で同様の措置を始めた。昨年以来続いている大量の難民流入を制限するのが目的。

 これら3国はいずれも、国境管理を廃止したシェンゲン協定に加盟しており、通常は国境を自由に通過できる。しかしスウェーデンには昨年、中東などから15万人以上の難民が押し寄せ、従来難民受け入れに寛容だった方針を転換した。』


 ついに、あのスウェーデンまでもが、国境検査を復活させました。欧州連合における国境を越えたヒトの移動の自由を定めたシェンゲン協定は、もはや有名無実化しています。


 デンマークはともかく、スウェーデンは「移民亡国論: 日本人のための日本国が消える! (一般書) 」でも書いた通り、世界で最も寛容な移民政策をとっていた国の一つです。


 移民亡国論でも書いた通り、「外国移民」の究極的な問題は、移民が国内で移民が集住化し、「国の中の国」ができていってしまうという現実です。移民は国民国家を壊すのです。実際、わたくしは取材でスウェーデンの「国の中の国」を訪れたのですが、正直、怖かったです。


 別に、ゴーストタウンやスラムというわけではないのです。フースビー(ストックホルム郊外)やローゼンゴード(マルメ市)普通の(70年代から80年代に建てられた)団地に、ただ、住んでいる「人種」だけが違います


 08年4月28日、ローゼンゴード地区で火災を伴う暴動が発生。自動車や売店などが次々に放火され、暴徒たちがバリケードを築いて立てこもりました。警察に護衛されて駆け付けた消防車に対し、顔をマスクで隠した暴徒たちは石を投げつけ、ロケット花火を打ち込み、消火活動を妨害します。


 なぜ、消防車が警察に護衛されていたのか。単純に、ローゼンゴードでは、この手の暴動が頻発し、消防署が隊員の安全を確保するため、警察の護衛なしでの出動を認めないようになっていたためでございます。


 ローゼンゴード地区の移民は、イラク、旧ユーゴスラビア、レバノン系が中心になります。実際、我々が取材で訪れたときも、暇そうなレバノン人(多分)のおじさん二人に絡まれまして、難儀致しました。

 ローゼンゴードの失業率は38%に達し、特に若い世代に職がありません。とはいえ、何しろ彼らはスウェーデンの福祉受給権を持っているのです。職がないからといって、別に飢え死にする心配はありません。


 昨日も書きましたが、働かなくても生きていける無職の若者が集まると、碌なことはありません。しかも、スウェーデン移民たちはあれほどまでに厚遇されているにも関わらず、それでもやはり「スウェーデン社会に受け入れられていない」と阻害感を持っています


 仕事がなく、学校にも行かず、それでも生きていくことだけはできるものの、将来に希望が全くなく、閉塞感だけは身中に溢れ返る若者たちが「たむろ」しているのがローゼンゴード地区なのでございます。彼らは、何か「切っ掛け」を見つけては、放火や暴動という過激な行動に出るわけです。


【写真 マルメ市ローゼンゴードのスーパーマーケット前】


 上の写真はローゼンゴードの中心地にあるスーパーマーケット前での写真です。若い男性の移民たちが、「たむろ」しているわけですが、このときは平日昼間でした。つまりは、仕事がない若者が何となくスーパーマーケット前に集まり、お喋りに興じているわけです。


 はっきり言って、「ヤバい!」という空気で満ち溢れていまして、さすがにタクシーから降りることはできませんでした(運転手からも止められました)。


 昨日、取り上げたドイツのケルン暴動も、恐らく同じ構図なのではないかと思います。


 ところで、今年は、夏にイギリスで「EUからの離脱の是非を問う」国民投票が実施されます。イギリスのEU離脱派団体「Leave.eu」のアンディ・ウィグモア広報部長は、
「最悪なのは、わが国の民主的議会で制定された法律が、選挙を経ない欧州委員会の決定に覆されること
 と、語っています。

 イギリスは特に「移民政策」について、自国の主権が喪失状態にあり、ついに「EU離脱」を国民投票で判断することになったのです。


 欧州やアメリカの状況を見る限り、今年は世界的に「ヒトの国境を越えた移動の自由化」が政治的課題に上ると思います(というか、上っています)。アメリカのドナルド・トランプ氏が共和党の大統領候補として残っているなど、一年前には想像もしていませんでした。


 ちなみに、トランプ氏は1月9日の集会で、
ウォール街への課税
 を明言しました。


 さて、我が国では、相変わらず「人口が減り、衰退するから移民」といった、単純な「暴論」が幅を利かせています。

 そうではない。日本の人口減少は「生産年齢人口比率」の低下による超人手不足であり、対処策は外国移民受入ではなく、生産者の「生産性の向上」によりインフレギャップを埋めることである。実際、高度成長期の日本も人手不足の中、生産性向上で経済成長を果たした。特に、日本の場合はサービス業において生産性向上の余地が大きい。


 と、「外国移民受入の問題」と同時に、「生産性向上という正しい対処法」の二つをどれだけ多くの国民が理解できるかに、全てはかかっています。ちなみに、ここで言う「生産性向上」は設備投資、人材投資、公共投資、技術開発投資の四つにより実現されるべきで、「規制緩和で既存の所得のパイの奪い合いをさせる」は含まれていません。


 生産性向上のための投資を「今」実施したとしても、効果が出るのは「将来」です。とはいえ、各種の投資は「今」の需要となり、デフレギャップを埋めます


 すなわち、我が国は生産性向上のための投資を実施することで、
今のデフレギャップを埋められ、将来の超人手不足に対処することができる
 わけでございます。これほどまでに綺麗な「解決への道」が用意されている国は、他にありません。


 日本を「国民国家」として、厳密には「国民が豊かになる国民国家」として生き残らせるためにも、今年も「メディアのシナリオ」などを無視し、正しい「解決への道」を叫んでいきたいと思います。ご支援、よろしくお願いいたします。


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