ファウルボールが当たり失明で賠償命令、日ハムが控訴 | オレはこう思う

ファウルボールが当たり失明で賠償命令、日ハムが控訴



平成22(2010).8.21の札幌ドームでの西武戦を内野席で観戦していた30代女性にファウルボールが当たり右目を失明し顔面骨折した事故で、女性が日ハムなどに対し4650万円の損害賠償を求めていた裁判で、札幌地裁(長谷川恭弘裁判長)は女性の訴えを認め、日ハムなどに約4190万円の賠償を命じる判決を下していたが、日ハムは控訴した。

裁判長は「球場の設備は安全性を欠いていた」と指摘した。

日ハムは「観客は打球に注意すれば直撃を回避できる」としていた。

NPB日本野球機構の理事会、12球団の実行委員会は各球団が連携していくことを確認するとしている。



日ハムの控訴は予想通り。
日ハムだけの問題にはとどまらなくなるからだ。
ネットのコメントを眺めていくと、概ね失明したのは気の毒だが、日ハムに責任は問えない、自己責任だ、との意見が多いように感じた。

ボールの行方をきちんと見ておけ、ファウルボールにはご注意下さいとのアナウンスがきちんと為されている、怪我の応急手当はするがそれ以上の責任は負わないと示されている、客は危険を承知の上で観戦に来ていたはずだ、、

といった意見がみられた。

日ハムは野球の臨場感を出すため防球ネットを外しているようだが、臨場感を出すために安全性をおざなりにしてよいというのは筋が違うのではないか。

飛んでくるのはボールだけとは限らない。内野席なら折れたバットが飛んでくる可能性も無いとは言えない。

また無色透明の強化ガラスを設置することは一切考えないのか。
臨場感というが、それは野球をよりエキサイティングに、リアルに、試合との一体感を味わうために、これは野球ファンとしてよく分かる。
ただ臨場感を出しながら安全性も確保する工夫もしてみることだろう。

ビールを販売しながら打球に注意しろとはおかしい、弁当を食べてる間は、そうした疑問の声もある。
球場に来る客は若い人ばかりではなく、高齢の方もいるだろう、幼い子供さんもいる。
若い客なら球を避けることができても、出来ない場合も有りうる。

フライなら避けられても、痛烈なライナーなら避けきれない場合も有りうる。
外野以上に内野は当然リスクも増大する。

実際に防球ネットを外してから年間100件近い事故が起きている。
それらのことから、全て客の責任で球団は免責されるとの反論には無理もある。

臨場感ばかり先行させるとそのうちに、エキサイトシートで客ではなく選手が打球を追って柵から転倒し、骨折し選手生命まで失う事故がいずれ起きるかもしれない。

危険だと思うなら球場ではなく自宅のテレビで見てろとの指摘もやや乱暴である。
そうして球場へ足を運ばずにテレビで見る人が増えれば収入面で困るのは球団側である。


安全性をきっちりせよとの立場から書かれたネット記事を見つけた

Y!ニュース、ビジネスオンライン記事より
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150402-00000022-zdn_mkt-ind



※よく大リーグはバックネット裏以外は防球ネットが無いことが引き合いに出されるが、しかしその大リーグでも客が観戦に集中できないピクニックエリアなどにいるときは球団が敗訴するケースも出てきているのだという。
(J-CASTニュースより、ニューヨーク拠点のスポーツマーケティング会社社長の鈴木氏による)



危険といえば、相撲で土俵から力士が転げ落ちて客に怪我させるんじゃないか危ねえなあと思ったりもするが、打球には抑制が効いてないが、力士は落ちるときに抑制がある程度効いてるだろう。あれで客が重大な怪我を負った事案とかあるのか知らないが。
プロレスで場外乱闘になったときは、客をガードする人がいる。

野球の硬球はあれはホントに固いからすごいスピードでくれば危険極まりない。


臨場感を楽しむ、球を避けない方が悪い、というばかりで安全性は一切関知しないではこれからも事故が起きる。
それは日ハムのイメージダウンにもなる。

日ハムとしては認めてしまうと他に球が当たる事故がある度に賠償を払わせられたらたまったものではないのだろう。
だが臨場感と安全性をごっちゃにするのもどうなのか。


危険を承知の上で観戦に来てるのではないか、は通用しなくなってくるかもしらん。
危険だから何でも無くせはおかしいとの反論もあろう、危ないからと子供の遊びを奪い取るようなことなら良くないという理屈は分かる。ただ老若男女、弱い立場の客、いろんな人が観戦に来るのだからそこは考えないといかんだろう。