面会時間を30分ほど過ぎた15:30過ぎに、いつも通り嫁と病院へ。
面会カードに名前と日付、時間、病室の番号などを書く。
書き終わる頃、先に到着していた父が駆け寄ってきた。
「先生が話があるようだから一緒に聞いてくれ」
考えないようにしていた覚悟が、頭の中で蘇った。
母の・・・オカンの顔を見るよりも前に面談室へ。
何を聞いたか、何を言ったか、あまり覚えてない。
1週間以内に訪れるであろう最期を覚悟してください・・・と。
病室に行くと、おととい帰り際に手を振って「またね」って言った
オカンが、意識無く、眠っている。
手を握る。
あったかい。
呼吸だってしてる。
何度も呼びかける。
先生の話を聞いた時からおよそ4時間後、
本当に眠るように、静かに、静かに、逝った。
「オカン、ありがとう、もう痛くないよね・・・・・」
「じいちゃんも弟も迎えに来てくれた?」
「何も親孝行出来なかったね、ごめん」
「もっと言葉に出して伝えればよかった・・・ありがとうって」
「もっと、もっと、もっと・・・・・・」
たった1つだけ、胸を張ってオカンに言えるのは、
小学校の頃、「夜、爪を切ると親の死に目に会えない」って、
オカンから聞いて、それから今日まで1度も夜に爪を切らなかった。
だから、ちゃんと、手を握って最期を看取れたんだよね。
その約束はちゃんと守ったよ。
ありがとう。
寂しくて、辛くて、苦しいけど・・・。
あなたの子供で良かった。
これからも、家族を大切に、仲良く、生きていくね。
ありがとう、オカン。
おやすみなさい。