【強きを助け】「生活保護の謎」読後の感想。【弱きを挫く悪弊】 | ザ・功罪!!~立場が変われば見方が変わる~

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生活保護」が最近、社会問題となっている。主に不正受給が問題となっている。一方で生活保護が受けられずに餓死する人も一定数いる。


上記の不公正さは、一体どこから生まれるのか。生活保護について勉強するべく、旧大蔵省の元役人・武田知弘氏の「生活保護の謎」を読んでみた。

生活保護↓

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E6%B4%BB%E4%BF%9D%E8%AD%B7

不正受給↓

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E6%B4%BB%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E3%81%AE%E4%B8%8D%E6%AD%A3%E5%8F%97%E7%B5%A6


武田氏の主張の骨子を以下にまとめる。

①地方自治体は基本的に生活保護を出したがらない。時に違法な方法でもって、生活保護を支出しないことすらある。

②生活保護を支出する役所は、反社会的団体を含む不正受給者など言わば「強者には甘く」、そして真に救済されるべきホームレスなど「弱者には厳しい」のが実態である。

③社会的弱者の生活保護費の大半を搾取する「貧困ビジネス」を行う、悪徳団体がある。(NPO法人の皮をかぶっている団体すらある。)こういうエセ慈善団体はホームレスを「福祉アパート」に住まわせ、住民票を取らせて生活保護を受給させた後、法外な家賃を請求して生活保護の大半を搾取する。

④日本の国家予算における生活保護費はアメリカの1/10である。日本は生活保護後進国である。

⑤日本では将来、貧富の拡大により2000万人弱の国民が生活保護受給予備軍になる可能性がある。

⑥生活保護費の半分以上が医療機関の収入として流れている。このため生活保護受給者に「過剰診療」を施して、過大な収入を得る医療機関もある。

⑦日本の生活保護は硬直的であり労働による収入がある場合は、「生活保護費が削られる」など、勤労意欲を削ぐシステムになっている。(欧米では貧困者に「フードスタンプ=食券」を配布するなど、生活保護に関して多様で柔軟なヴァリエーションがあり、貧困者の勤労意欲が削がれない政策を実行している。)


生活保護問題↓

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E6%B4%BB%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E5%95%8F%E9%A1%8C

生活保護ビジネス↓

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E6%B4%BB%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9


読後の感想として「国家機関=官」と「社会団体=民」の双方から取り組むべき問題である、と私は思った。

官としては社会的弱者を救済し、労働者の勤労意欲を削がない生活保護のシステムを構築することである。

そもそも上記のようなことを行っている官が信用できない、という考え方もある。信用できない官に対してできるだけ税金を渡さない、と考えるリバタリアン(=極小政府主義者)だ。その場合、民としては弱者切り捨てにならないように慈善事業等を発達させ、重厚なセーフティネットを整備する必要があると思う。(労力と時間がかかる話ではあるが・・・・)

※「リバタリアン」の例として漫画家の三田紀房氏がいる。(代表作は「ドラゴン桜」「エンゼルバンク」「マネーの拳」など。)

三田紀房↓

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E7%94%B0%E7%B4%80%E6%88%BF


参考文献↓

「生活保護の謎」祥伝社新書、著:武田知弘