文／鄭靖瑜 写真／宋育玫
カラフルでファッショナブルなブラシは、女性の魅力を輝かせる魔法の杖。メイクブラシは目的によって、材料、柄、刷毛の形状まで考え抜かれている。毛筆作りの老舗に生まれた林昌隆は、ある日偶然ネイルサロンの前を通り掛かった。ネイリストの手の中のブラシが、マニキュアを指先の蝶に変えるのを見て、ネイルとメイク用ブラシの世界に心が動いた。
林昌隆は夫人と共にメイク＆ネイルブラシの分野で、LSY(LAMSAMYICK) ブランドを創立した。父と老職人のサポートにより、ブラシ作りは毛材の選択から細部にまでこだわる。林昌隆は「メイクアップアーティストと何度か交流することでブラシにはそれぞれ毛材の適性があることが分かった。パウダー＆チークブラシは肌との馴染みが大事なため羊毛等の柔軟な毛材を、アイシャドーブラシは細かな筆使いが要求されるため、ミンク等のしっかりした毛材が適している。刷毛の弾力と柔軟性を保持するため、石灰水に毛材の油脂を破壊されないよう全脂脱毛法を用い、さらに手作業で品質と長さが揃った毛材を選択し、繰り返し整え、最後に筆とする。その過程では、最高の使い心地を実現するため、毛筆のような筆先を要求する」という。
林昌隆はデザインと包装にも工夫を凝らし、ブラシをハートや花に化身させ、クリスタルで装飾し、好評を得ている。また最近では、サンリオのロイヤリティを取得し、HELLO KITTYのブラシケースは女性に大人気となっている！また、会社員のメイク直しのニーズに応えるため、ブラシケースをノート型にし、内側には携帯電話スペースも設けている。
林昌隆は老舗の毛筆ブランド「林三益」をおしゃれなLSYに変身させることに成功した。美に関わる可能性を追究する中で、男女を問わず一般の消費者をターゲットとしLSYは洗顔ブラシを発売した。しっかりしながら繊細なその化繊毛材、ブラシヘッドの特殊な形は、ブロガーの間で話題になり愛用されている。林昌隆は「LSYは林三益の百年にわたる筆作りの精神を受け継ぎながら、伝統に縛られず、より豊かな創造力を注ぎ込む。伝統工芸から、トレンディでモダンな将来性を作り出していきたい」としている。
林三益LAMSAMYICK
前身は百年の筆作りの歴史を擁する「林三益」。四代目の林昌隆は、夫人の黄泳静と共に2000年LSY(LAMSAMYICK)ブランドを創立した。筆作り工芸の基礎の上にクリエイティブを加え、老舗毛筆ブランドでメイク界に参入した。精緻でおしゃれな見た目のブラシは女性の心をつかみ、台湾で人々に愛用されているばかりか、日、韓、米国でも受け入れられている。最近は洗顔、コンピューター用品の掃除用のブラシも開発し、筆工芸の可能性を切り開こうとしている。
Add：台北市大同区重慶北路二段58号
Tel：(02)2556-6433
Open：08:30-18:00
Web：www.lamsamyick.com