安心を生む給食の放射能検査とは | 放射線被曝から子どもを守る会・多賀城

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平成24年5月21日より宮城県で、学校給食用食材の放射能サンプル測定が始まりました。


宮城県HP より。


簡易型放射能測定器(NaIシンチレーションスペクトロメータ)を県内8ヵ所に設置し、市町村や学校等が使用する調理前の食材を測定場所に持参し、放射性物質を測定します。


測定対象は、希望のあった県・市町村(共同調理場を含む)・私・国立の小中高等学校、特別支援学校、幼稚園及び保育所です。


この簡易測定で50Bq/kgを超えていたら、ゲルマニウム半導体検出器による精密検査を実施します。


また簡易測定結果の数値は、記載されません。50Bq/kgを超えていたか、いないか、しか分かりません。




今、50Bq/kgを超える食材は限られています。


厚生労働省からも平成24年3月12日、「地方自治体の検査計画について ―緊急時における食品の放射能測定マニュアル―」が出されており、50 Bq/kgを超える放射性セシウムが検出された品目も列挙されています。


宮城県のこのサンプル測定は、そもそも50Bq/kg以上検出されそうな食材を選ばせない、という意味では役に立ちますが、極力、放射性物質が含まれない物を食べさせてあげたいと親の願いとは離れた検査です。


米や牛乳など摂取量が多い物や東日本産の物を、最初からゲルマニウム半導体検出器(検出下限値が1Bq/kg前後まで可能)で測って頂ければ、どれだけ安心できるか…。




多賀城市もこの検査に申し込みをしていると、陳情書の回答 に書かれてありましたが、低い検出下限値で検査できる機器による多賀城市独自の検査が待ち望まれます。




2012年5月21日の読売新聞 によると、宮城県内では3月時点で仙台、白石、名取、角田、登米、栗原、大崎、丸森、富谷、色麻、美里の11市町が調理前の給食食材の事前検査を実施しています。


富谷町内の小中学校13校約6500人分の給食のおかずを作る町給食センターでは、調理前日までに食材を持ち込み、東北、関東産の食材をすべてサンプル検査。


調理後も1食分をペースト状にして検査。


いずれも放射性セシウムが1キロ・グラムあたり10ベクレル以上検出されれば提供を中止し、ふりかけやジャムで代用することにしている。


引用以上。




富谷町 は、多賀城市と同程度の空間放射線量ですが、子どもの施設(学校、幼稚園等)23か所を、門周辺、校庭、校庭側溝、周辺側溝の4点を測定し、公表しています。


公共施設(公園や会館)40か所は、広場と周辺側溝の2点を測定し、公表しています。


数か所ずつ平日毎日。


給食の産地も日にちごとに、詳細に公開しています。


学校給食の放射性物質独自検査の結果は、検出された場合のみ公表ですが、検出下限値10Bq/kgでの検査で、1件も記載されていませんでしたので、産地及び食材選別に工夫されているのでしょう。


こういう情報公開こそが、「安心」を生むのではないでしょうか。




多賀城市 では、学校、保育所、幼稚園、公園、災害廃棄物仮置き場等50か所の空間放射線量を毎日測定していますが、富谷町と異なり1点のみです。


給食の産地 は、私たちの要望にこたえて下さり、月ごとにではありますが公開されています。


献立表 に使用食材の詳細は載っています。


多賀城市の学校給食は、ドリームランチ多賀城(多賀城市学校給食センター)1か所で作られていますので、知りたい事があればそちらの電話022-362-7874にお問い合わせ下さい。


多賀城市の給食検査は詳細未定ですが、子どもの内部被曝量をおさえるという事を第一にご検討頂きたいと思います。