安倍内閣発足後、郵政造反組が復党した際には、当時の中川幹事長が強く主張し郵政民営化支持誓約書を書かされて認められたものだった。平沼氏は、この措置に反発し、復党しなかったが、今回お仲間の麻生幹事長、与謝野官房長官の就任で、誓約書なしの復党が認められるようだ。


しかし、強気な平沼氏は、これだけでは満足せず、「落選した人たちの処遇も考えなければいけない」と述べているそうだ。こうなると、6年近く国民の支持を得て、続いた小泉内閣の集大成として、成立させた郵政民営化法案をどう考えるのか、安倍自民党の性格が問われる事になる。


民主党は、そもそも郵政民営化には、賛成だったが、労組や国会対策上、小泉案には、反対した経緯があったが、参院選大勝の結果、小沢代表国民新党との連携、同一会派結成を目論み、郵政民営化凍結法案を参院に提出し安倍内閣を揺さぶる作戦に出ている。


結局、民主党国民新党の統一会派交渉は、不調に終わり当面国民新党は野党として、小沢民主党に協力することとなった。元々、国民新党の連中は、自分達こそ本家自民党との思いが強く、自民党への郷愁が強いと見られ、平沼氏の無条件復党が実現すれば、自分達にも声が掛かるのではと期待していると推測される。


このような事態になれば、自民党は、昔の旧い利権政党に戻ることとなり、国民の意識とは大きく異なる事になろう。参院選惨敗で、何が何でも衆院選での衰退を挽回しようとの考えだろうが、とんでもない考え違いだろう。安倍総理麻生、与謝野に主導権を握られ、指導力を発揮できなければ、衆院選を迎える前に、麻生氏への禅譲を迫られる事になろう。そして、衆院選の結果は参院選以上の大惨敗となるのは必定だ。