英語 >>次

 スコッツェラ夫人がアメリカ合衆国で、最初の女性大統領になった時代に、スペース・シャトルが月から地球に来た。そして一人の女性 がそのスペース・シャトルに乗っていた。彼女は鳶色の髪をしていて、女性の服を着ていた。シャトルが地球に着いた時、彼女は全く動けなかった。何人かのアテンダント達が来て、彼女に声をかけた。すると彼女は「私は重たいシュミーズを着ているので、動けないのです。どうか私の服を脱がして下さい」と言った。するとアテンダント達は、彼女の服を脱がし始めた。彼女は黒いシュミーズの姿になった。それは重い素材で出来ていた。アテンダント達は、シュミーズをを裾からまくり上げようとしたが、持ち上げられなかった。彼女は「そのシュミーズは68キロだから、地球では480キロになるわ。ハサミで切ってもいいわ」と言った。するとアテンダント達はハサミでシュミーズを切った。そして彼女動けるようになると、切られたシュミーズを残して立ち上がって 、服を着始めた。そして彼女はスペース・シャトルを降りた。彼女が横断していた時、信号が赤になったので、彼女は走り出した。すると、速く走る事が出来たので、彼女は驚いた。なぜなら月では、太った人が地面をしっかりと踏んで、速く走れるのに対して、彼女の様に痩せた人は、体が軽過ぎて足が滑るので、速く走れないからである。彼女は横断し終わると嬉しくなって、「私の体重は月では8点5キロだったから、地球では51キロだわ」と独り言を言った。そしてホテルを探し始めた。そして彼女はホテル・ガミールを見つけた。ガミール とはアラビア語で「美しい」という意味なので、彼女は息を弾ませて、そのホテルに入って行った。その時ホテルの中は、床が水浸しであり、エアコンからは湯気が噴き出していて、シャンデリアが次々に落ち始めた。それで彼女をはそのホテルを出ると、隣りに建っているホテル・イスカンダリアに行った。彼女は宿帳に、名前をアーティミドア・リーヴライン(Artemidor Lievrein)と書いた。彼女は実は男性であった。アーティミドアは部屋に入って行った。すると部屋にはハンガーが無かったが、ミロのヴィーナスのレプリカがあったので、コートをヴィーナスにかけた 。そして彼は母親に電話をかけた。母親はダイアナという名前であった。ダイアナはドイツ語しか話せないので、アーティミドアはドイツ語で話した。アーティミドアは「今、ホテル・イスカンダリアに着いて、泊まる事にしたわ」と言って、話し始めたそして話が終わる時に、ダイアナは「・・・それじゃまたね。猫は飼っちゃ駄目よ」と言って電話を切った。


 アーティミドアという作品は、1993年秋に日本語の漫画を描き始めて、1996年春に、未完成のまま中断しました。そして2001年秋に英語の小説にし始めて、2008年夏に、完結編まで書き終わりました。

 アーティミドアは、月の女神のアルテミスに似た男性名で、夢占いの本を書いたアルテミドロスのドイツ語綴りの、英語読みです。リーヴラインは、フランス語で野ウサギという意味の、リエヴル(lièvre)を変形して作りました。

 最初はフランス人という設定のつもりでしたが、同級生では、ドイツ語を習っている人の方が数が多いので、主人公が話す言葉は書きやすい方がいいと思って、漫画を描き始める直前に、ドイツ人という設定に変更しました。

 ホテルの名前は、二つともアラビア語で、イスカンダリアは「アレクサンドリア」、ガミールは「美しい」という意味ですが、どちらも宇宙戦艦ヤマトの、イスカンダル星とガミラス星が元ネタです。