■福島の放射能がもららす被害を急速に減らすことができるのはこのビタミンだ
(This Vitamin Can Radically Reduce Damage from Radioactivity from
Fukushima:6月4日英語版配信分)

Source:
http://articles.mercola.com/sites/articles/archive/2011/06/03/this-vitamin-can-radically-reduce-damage-from-radioactivity-from-fukushima.aspx


ビタミンDに関する理解が深まるにつれ、活性型のビタミンD3(カルシトリ
オール)は、放射線が誘発するさまざまな被害から身を守ってくれる、という
ことが明らかになりつつある。ビタミンDの保護作用は、細胞周期制御や分裂
増殖、細胞分化、細胞間情報伝達、プログラム細胞死(アポトーシス)などを
含む、さまざまなメカニズムによってもたらされる。

主要な非薬理学的作用物の中でも、ビタミンDは低程度の放射線損傷や放射線
誘発癌、あるいは一次薬剤すらからも身を守ってくれるものとして考えられる
べき、と論じている論文がある。

“the International Journal of Low Radiation”に掲載されたこの論文では、
次のように記されている:

『…ビタミンDがいかに生物反応を媒介するかという事に関する理解は、新し
い時代に突入した…。ここにもたらされた証拠に照らし合わせてみると、ビタ
ミンDのもつ予防作用あるいは改善作用という点から、ほとんど致死量に近い
放射線障害、特に低レベルの放射線が引き起こす損傷からの保護剤として、真
剣な考慮が行われるべきことは明らかだろう』

Sources:International Journal of Low Radiation 2008; 5(4)
http://www.environmental-expert.com/articles/the-protection-afforded-by-vitamin-d-against-low-radiation-damage-84479


▼Mercola博士のコメント:

心配する多くの読者たちから、日本で最近起きた原発災害で発生している放射
性降下物からの被害を防止するのに役立つ方策について質問を受けてきた。お
そらく、福島原発からもたらされる放射線は、周辺部にいないかぎり健康に深
刻な脅威をもたらすものではない。合衆国ではこれまで、環境保護庁(EPA)が
とても低いレベルの放射線しか検出されていないことを明らかにしており、そ
れすらも低下傾向にあると言及している。

2011年5月3日 現在、次のように記されている:

『データベースRadNetの監視装置やサンプリングで検出された全種類の放射線
レベルはとても低い状態にあり、公衆衛生上の懸念を生じさせるレベルよりは
るかに低く、また経時的に減少を続けている』

伝えられるところによれば、3月11日に発生した地震と津波のすぐ後にメルト
ダウンが発生しており、米国のリスク管理に影響を与えるかどうかは不明であ
るが、この情報は、福島原発の管理者が5月下旬、施設にある燃料棒がメルト
ダウンを起したと発表する前にリリースされたものである。

それとは関係なく、日本で発生したような災害の影響を受けやすい、もっと古
い原発が合衆国には数多くあることを考えると、これを放射性降下物に関する
最終結論だとは考えるべきでない。もし災害が自宅近くで発生したり、あるい
はもし今現在 福島原発の周辺にいるのなら、入手可能な保護手段のための無
毒化戦略を持っていることは重要であり、そしてビタミンDがこれらの内のひ
とつとなり得るのである。


▼ビタミンDはどのようにして放射線に由来するダメージから身を守ってくれるのか?

科学者たちは、ビタミンDによって発現増加させられる遺伝子が合計で3,000
個近くあることを確認し、“the International Journal of Low Radiation”
で研究者たちが指摘しているように、『多面的な保護機能』をもっているのは
もっともなのだ。

報告では、もっとも活性的な分子形態をもつビタミンD、すなわちD3(カル
シトリオールとしても知られる)が、次のメカニズムを通じて、自然放射線や
低レベルの原子力事故を含む、放射線からもたらされる様々なダメージから身
を守ってくれることを見出している。

・細胞周期制御と分裂増殖
・細胞分化と細胞間情報伝達
・プログラム細胞死(PCD)
・血管新生抑制(腫瘍が新たな血管を作るのを止める過程であり、成長が止ま
        ることを意味する)

保護メカニズムはとても強力であり、ほとんど致死量に近い低レベル放射線障
害や、特に放射線によって誘発される癌から身を守るための(一番ではないと
しても)主要な非薬理学的作用剤のひとつにビタミンD3を含めるべきだと研
究者たちは提示している。

放射線によって誘発される癌から身を守るために、どれくらいのビタミンDが
必要なのかは不明であるが、乳がんと直腸がんの危険性を半分近くまで減少さ
せるために必要とされる、血中のビタミンD代謝物のレベル範囲を維持するに
は、成人で4,000~8,000IUを毎日摂取する必要があるということを研究者たち
は見出している。

それ以前に行われた複数の研究では、ビタミンDのレベルを最適化することで、
膵臓や肺、卵巣、前立腺、皮膚のガンを含む少なくとも16種類のタイプのガン
を防ぐのに役立つことが示されており、放射線によって誘発される癌をそのリ
ストに加えることは、無理な解釈ではない。

一日に1,000から2,000単位以上の量を摂取することについて、いまだに多くの
人たちが神経質になっていることは、私もこれまで感じている。太陽や安全な
日焼けマシーンに身をさらすことなく、健康的なビタミンDレベルを得るため、
大部分の成人たちが毎日6,000~8,000単位を必要とすることになるのは不幸な
ことである。


▼ビタミンDに関する3つの留意事項

ビタミンDを治療的に用いる際は、以下の点に留意することが重要である。

1.ビタミンDのベストな供給源は、日焼け止めを塗らず、ピンク色にもっと
も明るく色味を帯びるまで、皮膚を太陽にさらすことである。季節の変化や地
理的な位置(そして皮膚の色)によっていつも可能であるわけではないが、こ
れが目指す理想となる。冬の数ヶ月間など健康的な日焼けを選択できないとき
は、ビタミンDのサプリメント剤を摂取したり、安全な日焼けマシーンを使用す
ることで、不足を補うことは可能である。

2.もしビタミンDの不足を補うならば、ナチュラルなビタミンD3(コレカ
ルシフェロール)で補いたいとしか思わないだろう。合成された非常に粗悪な
ビタミンD2は利用しないように。具体的にD3とはっきり求めない限り、ほ
とんどの医師たちはこれを処方する。

3.血中のビタミンDレベルを調べてもらおう!正しい量を正確に決めるため
の唯一の方法は、血液を調べてもうことだ。あなたのビタミンDの状態に影響
をあたえるものは、非常に沢山の変りやすい要素が存在するからである。合衆
国にある“LabCorp”(医療サービス機関)の利用をお勧めする。正しいテス
トを受けることは、このプロセスにおける最初のステップである。現在、提供
されているビタミンD検査には、1,25(OH)D と 25(OH)D の2種類がある。


▼放射能の危険性から身を守るためはその他に何ができるのか?

生物学者や製薬メーカーはこれまで長い間、原発事故やテロ攻撃という事態に
おける放射線から、人間を守る錠剤を追い求めてきた。現在、そのような「魔
法の錠剤」は存在していないが、ビタミンDは別として、それに近いものはあ
る。

●ヨウ化カリウム

もし放射性ヨウ素に被爆しているなら、甲状腺ホルモンを作るために血液から
ヨウ素を吸収しようと、甲状腺が活発にこの物質を取り込もうとするだろう。
このタイプの放射線に被曝した後に、甲状腺ガンがもっとも大きな危険性の一
つになるのはこのためである。

ヨウ化カリウム(ヨウ素の安定形)は、基本的に身体のシステムをヨウ素で
「みなぎらせる」作用があり、そのために甲状腺は放射性のヨウ素を取り込む
必要がなくなるのである。甲状腺疾患関連学会では、放射線の緊急事態に備え、
原発から50マイル(約80km)圏内に住む全員に対し、それぞれの家庭でヨ
ウ化カリウムを常に備蓄するよう推奨しており、原発から200マイル(約3
20km)圏内に住む人々には、サプリメントを入手できる状態にしておくよう
アドバイスしている。

しかしながら、もし放射性降下物が盛んに舞っている場所の近くにいる場合は、
ヨウ化カリウムの摂取のみを行うべきである。1日間から3日間 甲状腺を守っ
てくれるだけであり、絶対的に必要ではない時に摂取しても甲状腺中毒症を招
くことになるため、これは長期的な予防薬として用いられるべき方法ではない。

この点で、放射能事故が起きる前から、あるいはその最中や後から摂取できる
という理由から、ビタミンDははるかに優れたものとなるだろう。血中レベル
を最適な範囲に維持するよう監視すると仮定すれば、ポジティブな効果しかな
いのである。

もし放射能雲が通り過ぎると、身体はヨウ素の貯蔵庫を満たそうと、放射性ヨ
ウ素を甲状腺に取り込もうとする傾向があるためであり、ヨウ素が不足してい
る場合だけだということを忘れずに。

安全な摂取源から十分な量のヨウ素を摂取し続ける、という理想的な状況では、
放射性ヨウ素から自然に身を守ってくれることだろう。しかしながら現実には、
多くの人たちはヨウ素が不足しやすい状態にある。

私は最近、このテーマに関して膨大な量の医療データをまとめ、この分野にお
けるエキスパートとして考え得る人物のDavid Brownstein博士にインタビュー
を行った。

Brownstein博士はこの20年間、ヨウ素について研究を続けている方である。
彼は自身の病院で5,000人以上の患者を診察し、その内95%以上がヨウ素の不
足状態にあることを見出している。

●スピルリナ

スピルナ(青緑色の藻類)は、放射線の影響から身を守るための有用な代替物
であるかも知れず、このことを支持する研究が実際に存在している。スピルリ
ナは実際に、チェルノブイリ原発事故発生後の、慢性的な低レベル放射能被爆
を受けた子供たちを治療するために用いられていたものである。

スピルリナの利点に関する科学的論評では次のように述べられている:

『ごく最近まで、スピルリナに向けられていた関心は、おもにその栄養価であっ
た。しかしながら、スピルリナのもつ治療効果の可能性に、多数の人々が目を
向けている』

『多くのプレ臨床試験やいくつかの臨床試験では、コレステロール値の低下や
癌の縮小に始まり、免疫システムの強化や腸の乳酸菌の増加、重金属や薬品か
らの腎臓に対する直接的な悪影響の減少、放射能からの保護という一連の治療
上の効果がいくつか示されている』

しかし、この青緑色の藻類がもたらすこの放射線防護能力についてはどうなの
だろうか?

スピルリナには、フィコシアニン(光合成膜に付着している青い色素)が16%
含まれている。またフィコシアニンは 窒素を貯える分子でもある。窒素原子
は、放射性セシウムや放射性ストロンチウムなどのような重金属と複合体を形
成することができ、それゆえに、身体からこれらの放射性金属を「洗浄」する
のである。

●乳清

放射線がもたらす健康上のリスクをいかに軽減できるか、ということに関し、
他にとり得る視点を求めて私はOri Hofmekler氏にもインタビューした。放射
性鉱物の吸収から身を守るのに乳清を役立てようと、Ori氏は説得力のある議
論をいくつか行っている。

このような状況で乳清を用いる理由のひとつに、これらの毒性物質を無毒化す
る最良の物質のひとつであるグルタチオンを身体が生成するのに役立つすべて
の前駆物質が、乳清のタンパク質には含まれていることが挙げられる。

●その他のハーブやサプリメント

一般的に、以下の食品やハーブ、サプリメントも、原発事故における健康全般
を守るのに役立つ可能性がある。

チョウセンニンジン
ケルプやその他の海藻(天然のヨウ素を多量に含む)
ゼオライト(放射線を中和)、ベントナイト粘土
アシュワガンダ(ストレスに適応するハーブ)
フルボ酸
レイシ・マッシュルーム(強力な免疫支援)
多量のビタミンC
マグネシウム
セレン
ココナッツオイル(甲状腺の最適な健康を維持)
アスタキサンチン(電離放射線に対するいくつかの保護機能)
クロレラ(放射線に対する抵抗力を高めてくれる葉緑素が含まれている)