魚のホネ | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

魚のホネ

世間はすっかり春めいて、学校も春休みに入った。


宿題の無い「春休み」というのは、子供時代には短いながらも、なんとも有難い長期休暇だったが……

いざ親となってみると、普段作らなくて良い昼飯は作らなければならないし、

朝から晩までゴロゴロしている子供を見るというのは、精神衛生上あまりよろしくない。


なんて事を思いながらの今日の昼飯時。




イチロウ    「なんかさー。最近魚嫌いなんだよね。」

タロウ     「どうして?」


今までイチロウは魚に対して好き嫌いを言った事が無かったので少々面を喰らったが、

子供は総じて魚が嫌いなものだ。


イチロウ    「だって魚はホネ取るのが面倒臭いんだもん。」

タロウ     「だいたい元々、魚のホネは面倒だからとか取り易いとかって理由で

         有ったり無かったりするものじゃないからな。」

イチロウ    「まぁ………そうなんだけどね。」


そう……フライドチキンのホネが偶然持ち易くなっているのも、決してニワトリさんの努力ではない。


タロウ     「このアジだって、海で泳いでた時は網で群ごとゴッソリすくわれて丘の上で

         喰われるなんて思ってなかっただろうしさ……。」

イチロウ    「まぁ………そうなんだけどね。」


マグロやクジラに喰われる所くらいまでは想像していたかもしれないが、

人間に喰われるとは思ってなかったと思う。


タロウ     「まぁ……そう思うなら、おいしく頂いて供養とするのが一番だろ?」

イチロウ    「……………。」


結局どんな文句を言おうとも……行き着くところは常に「おいしく頂いてご馳走様」である。


面倒臭そうに箸でホジホジするイチロウ……。


イチロウ    「だったらさ……父さん……イチコみたいに取り易くしてよ。」


もうすぐ4年生である。


タロウ     「あのな……イチコはまだ3歳前だぞ……取れなくて当たり前だろ……。」

イチロウ    「でも……。」

タロウ     「それにな……イチコは取ってあげないと両手で鷲掴んで頭から喰おうとするから……。」


そう……熊並みである。


タロウ     「真似出来んだろ……。」

イチロウ    「うん……。」



世間はすっかり春めいて、学校も春休みに入った。


宿題の無い「春休み」というのは、子供時代には短いながらも、なんとも有難い長期休暇だったが……

いざ親となってみると、普段作らなくて良い昼飯は作らなければならないし、

朝から晩までゴロゴロしている子供を見るというのは、精神衛生上あまりよろしくない。


なんて事を思いながらの今日この頃。

皆さんいかがお過ごしだろうか。




※中京TV「聞いてみやぁ!」 更新。   友達付き合いというものも随分大変である。