こんにちは | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

こんにちは

---2005年11月1日午後5時の少し前---


タロウ     「こんにちわー。」


開店時間の20分ほど前である。


まだ店内は閑散としている。

バイトらしき女の子が出てきた。


女の子    「いらっしゃいませ。」

タロウ     「すんません……客じゃないんです。」

女の子    「あ……どういったご用件で?」

タロウ     「あのー……こちらに『川畑カズオ』さんっていらっしゃいますよね?」

女の子    「はぁ……。」


と厨房の奥を覗き込む。


それに呼応するかのように奥から人影が覗く……。

今までに見た事が無い「おじさん」である。


年は50~60と言ったところであろうか……


おじさん    「なにか?」

タロウ     「あ……すいません……お忙しいところ……川畑カズオさんはいらっしゃいますか?」

おじさん    「私が父ですが……なにか?」


親父さんらしい。

取り敢えず本人がいない様子なので親父さんに事情を説明しよう。


タロウ     「ワタシ、6月に川畑カズオさんに訴えられた山田タロウと申しますが……。」

親父さん   「はぁ………!!」


「はぁ……」と言いながらも少々驚いた顔をしている。


タロウ     「その事情についてはご存知ですよね?」

親父さん   「…………いや…………。」


えっ?

息子が裁判してたのを知らないのか?

半信半疑でさらに確認を取る。


タロウ     「ネコが車に傷を付けた云々の……。」

親父さん   「……さぁ………。」


本当に知らないのか?


タロウ     「ネコが車に乗ってたって話もご存じないですか?」

親父さん   「…ネコが車に乗ってて毛が付くとか傷が付くとかって言ってたのは知っていますが……。」

タロウ     「だったら裁判してたのを知ってるんじゃないですか?」

親父さん   「いえいえいえいえいえ………。」


驚いた表情をしながら否定しまくる。


はたして本当に知らないのか……しらばっくれているのか……。

もし本当に知らないのであれば、実に冷めた親子関係であろう。


なにせ裁判などと言う、庶民にしては一大事を息子が起しているのにも拘らず

親子家族で話し合いをしていないと言うことである。


………どう考えてもおかしい。


「ネコが車に乗って毛が付く事は知っている。」

「ネコの事で裁判をしているのは知らない。」


毛が付く程度の事が話題に上るのであれば裁判なんて一大事は話題に上って当然である。



もうちょっとツッコんでみる事にする。





以下次号。