判決確定 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

判決確定

裁判所に向かう。

9時半である。




昨日の0時で控訴期限が切れたので、本日付で判決は確定となる。


2週間……長かった……。


裁判所2階の書記官室で判決確定の確認をする。


タロウ     「あのー。」

女の人    「はい。」

タロウ     「事件番号(ハ)1345ですが……判決は確定してますか?」

女の人    「ちょっとお待ちください……。」


書類を探しに行った……。

そして奥で上司らしき人と話をしている。


どうなんだ?

どうなんだ?


戻ってきた。


女の人    「控訴は出て無いですね……判決確定です。」


心の中で小躍りである。


タロウ     「それでですね……訴訟費用の確定ってヤツをやっていこうかと思ってますが……。」

女の人    「今日されていきます?」

タロウ     「ええ……。」


半分はその為に来た。


女の人    「じゃあ……書類を送っておきますので……。」

タロウ     「はぁ………。」

女の人    「一階の相談センターの奥ですので……。」


この前のおじさんの所の様子である。


タロウ     「じゃ……今からそちらに行きます。」

女の人    「お願いします。」


というわけで……判決は確定。

一階に向かう。




今日の「簡易裁判所受付センター」は空いていた。

朝早かったというのも理由の一つであろう。


一番奥の会計係に向かう。


タロウ     「あのー。」

おじさん    「はい。」


この前のおじさんである。


タロウ     「この前の判決が今日確定しまして……。」

おじさん    「そりゃお疲れ様でした。」

タロウ     「それで……訴訟費用の手続きをしようと思いまして……。」

おじさん    「ああ……上から書類が来てるから……ちょっと待ってね……。」


しばらく待っていると、書類の中から雛形のようなものを取り出した。


おじさん    「これなんだけどね……。」

タロウ     「はい……。」


見ると雛形の書類にうっすらと鉛筆で下書きしてくれた物と、雛形のまんまの物……。


おじさん    「これを見て書いて頂けばいいんだけどね……。」

タロウ     「はぁ……。」


見ると沢山の訂正線……。


おじさん    「ごめん……これ……原告勝った用しかないのよ……。」


まじか……。


おじさん    「だから……ここに訂正線入れて……訂正印入れて……使って頂くしか……。」

タロウ     「…………まぁ……無いなら仕方ないですね……。」

おじさん    「ごめんね……。」

タロウ     「いえいえ……でも作っといたほうがいいですよ……雛形……。」


とりあえず見ながら書く事にした。


おじさん    「あと……訴訟費用の計算書……この前、説明したままなんだけど……20580円……。」

タロウ     「はぁ……。」

おじさん    「これでいい?」


「いい」と聞かれても……


タロウ     「『いや』って言ったら変わります?」


聞いてみた。


おじさん    「いや……変わんない。」


案の定。


タロウ     「じゃあ……OKです。」

おじさん    「はは……すまないねぇ……。」


とりあえず雛形どおりに写す……。


おじさん    「書けたら訂正線入れてね……。」

タロウ     「はい……。」


訂正箇所が合計6箇所……。

被告と書かれている部分を原告に……

原告と書かれている部分を被告に……

そして勝訴の部分を敗訴に……。


タロウ     「これでいいですか?」

おじさん    「そうですね……ちょっとコピーしてきます。」

タロウ     「はい。」


コピーを一部取り……端をホッチキスで止める


おじさん    「あとは……訂正印をお願いします。」

タロウ     「あ……はい。」


訂正した6箇所に訂正印を押す。

コピーした分を合わせてると全部で12箇所。


おじさん    「そしたらここに割り印を……。」


一枚目を縦半分に折り、その折り目に半分、2枚目に半分かかるように押せとのご指示。


なるほどである。


こうすればホッチキスを外して途中に追加する事も、削除する事も不可能。

ちょっと賢くなった気分である。


タロウ     「これでいいですか?」


最後に捨印を押して……


おじさん    「OKですよ。」

タロウ     「ふぅ~~~。」


一苦労である。


おじさん    「後は、地下の売店で切手を2080円分買ってもらってOKです。」

タロウ     「OKです。ちょっと待っててください。」


ダッシュで切手を買いに行く。

そして渡す。


タロウ     「OKですか?」

おじさん    「OKです。」


書類をまとめ出すおじさん……。


おじさん    「じゃ……書類を上に提出しますから……この『訴訟費用額確定処分申立書』を一部

         相手方に渡してください。」

タロウ     「え?」

おじさん    「渡すのは無理っぽいですか?」

タロウ     「いや……出来なくも無いですけど……。」


出来なくも無い。


おじさん    「だったら普通郵便でもいいですよ。」

タロウ     「普通郵便……。」


いいのか?

普通郵便で……。


タロウ     「普通郵便でいいんですか?」

おじさん    「いいですよ。キチンとした物は、後日裁判所から特別送達で行きますから……。」


まぁ……よく判らないが、普通郵便でOKらしい。


おじさん    「とりあえず送ってください。」


とりあえずらしい……。


おじさん    「これで全部終了ですよ。」

タロウ     「ありがとうございます。」


ニッコリ笑うとおじさん


おじさん    「この後……足らない分の費用負担を請求するんでしょ?相手方に……。」

タロウ     「まぁ……そのつもりですけど……。」

おじさん    「まだまだ大変だろうけど……頑張ってね……。」


いい人である。


おじさん    「おっと……裁判所の人がこんなこと言うといけないかな……ハハハ……。」





裁判所を後にした。


さて……帰ってどうするか……。





以下次号。