電話弁護士相談---その１---
９月２７日。
判決の２日前の事である。
判決の結果はだいたい予想していたが、今後原告の川畑にどのようにお灸を据えるか
イロイロと考えていた時である。
浦野さんは懲罰訴訟に反対というので、これ以上は相談できない。
訴訟を起こさないまでも、懲罰的な相談には前向きに乗ってくれないであろう。
だから他の弁護士さんに聞いてみる事にしたのである。
インターネットで「弁護士」を検索してみると、結構無料で相談に乗ってくれる様子である。
ただ……この相談というのは、電話で予約を取って
出向いて相談に乗ってもらうと言うタイプのものがほとんどである。
なかなか電話だけで相談と言う「みのもんた」形式のものは実は少ない。
それでも探してみると数件ある。
そして実際に３件の弁護士さんに電話で相談した。
驚いた事は、弁護士さんによって判断にかなりの開きがあるという事。
確かに弁護士同士がやりあうケースもあるわけであるから、そんな事は百も承知ではあった。
……にしても意外であった。
簡単に言うと「甘い弁護士さん」と「厳しい弁護士さん」がいると言う事。
３件の弁護士さんのお話を全て載せるのは大変なので、
ワタシに対して一番厳しい弁護士さんの話を載せる事にする。
そのほうが問題無さそうである。
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タロウ 「もしもしー。」
弁護士 「はい。電話弁護士相談ですが。」
タロウ 「ちょっと相談がありまして……。」
弁護士 「５分ほどですがよろしいですか？」
タロウ 「はい結構です。」
ネットにも書いてあったが、基本的に５分程度が無料相談の目安である。
なのでもし、電話相談が必要な場合は、ある程度聞きたい事をまとめておく必要がある。
弁護士 「では……どういう経緯なのかお話くださいますか？」
タロウ 「はい……。」
と……ここで今までの経緯を説明する。
但し、「ネコ裁判」は法曹界では既に結構有名らしいので……
「ネコ」の部分を「子供」に置き換えて説明する。
勿論、「車の上に子供が乗って……」とすると不自然なので……「車に子供が傷を付けた……」と説明。
「子供はウチの子供じゃない」とした。
弁護士 「そうですか……そりゃ大変な裁判でしたね……。」
タロウ 「ええ……。」
弁護士 「もう判決は出てるんですか？」
タロウ 「ええ……。」
仕方ない……ここはイエスと言っておく。
弁護士さん。ウソついてごめんなさい。
タロウ 「で……今後ですね……『訴訟費用確定の手続き』をするんですけど……
貰えても２万円程度なので……。」
弁護士 「ふむ……そんなものですね……。」
タロウ 「実際ウチのほうは……弁護士さんに相談したり……
仕事休んで証明する証拠を探したりと、イロイロ動いたんですよ。」
弁護士 「そりゃそうですね……初めての裁判なら仕方ないですね……。」
タロウ 「で……計算してみると……まだ１０万くらい足らないんですよ。」
弁護士 「なるほど……。」
タロウ 「更に今回の謂れの無い裁判で被った精神的負担も請求したい気分です。」
弁護士 「…………ふむ……。」
「精神的負担」でちょっと歯切れが悪くなった弁護士さん……。
浦野さんの時も「懲罰訴訟」で態度が変わった事を思い出す。
やっぱり弁護士にとって、こちらから事を起こすのは倫理に反する事なのであろう。
だが、この反応には予想がついていた。
弁護士 「ところで……裁判となる前に事前に相手から苦情などの相談があったんですか？」
タロウ 「ありません。」
弁護士 「いきなり提訴ですか……事実確認無しで……。」
タロウ 「ええ……。」
発言しておいて弁護士さんが訂正にまわる。
弁護士 「いえ……裁判というのは決して事前に必ず相談しなくてはいけない
と言うものではないんです。」
タロウ 「心得ております。」
弁護士 「訴訟を起こす権利は誰でも持っていますから……それを制限する事情はありませんから。」
タロウ 「心得ております。」
弁護士 「ですが………実際近所に生活をしていて……普通は相談しますわな……。」
弁護士さんの心情が伺える。
弁護士 「で……こちらから裁判にかかった費用の請求をしたいと……。」
タロウ 「そういう事ですかね……。」
弁護士 「う～～～～ん……。」
渋った返事の様子。
イラスト：妙
長くなりそうなので
以下次号。