緊急臨時オフ会 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

緊急臨時オフ会

店員さんが注文を取りに来る。


時間は4時20分。

裁判自体は15分ほどで終わった模様。


店員      「ご注文は?」

タロウ     「コーヒーで」

学生風    「じゃ……僕も……」

女性1     「私は……。」


店員が一言。


店員      「飲み物はドリンクバーになってますが……。」

タロウ     「じゃ。それ4つ。」


裁判資料を広げながらアレコレ説明する。


タロウ     「これがブログの中で出てきたアレでしょ……。」

学生風    「ほうほう……。」

タロウ     「これが10円の領収書。」

女性2     「ホントに10円だ……。」

タロウ     「これがネコ侵入の連続写真。」

女性1     「あ……ホントだ……。ここで入ってきてる……。」


などとやって盛り上がる。


学生風    「ところでタロウさん……。」

タロウ     「ん?」

学生風    「法律か何か勉強されてたんですか?」

タロウ     「いや……別に……。」


驚く学生風……。


学生風    「じゃあ……本当に今回訴えられてから勉強したんですか!?」

タロウ     「そうだよ。」

学生風    「なにで勉強したんですか?」


ちょっと考える……。

よく考えると「何で」と聞かれても難しい。


タロウ     「まぁ……伸介の番組は、結構好きでさ……映画が面白くない時なんかはよく見てたかな。」

学生風    「それだけですか?」

タロウ     「それで嫁のユミコと『アレは取れねーな…。」とかやったりしてさ……。」

学生風    「あとは?」

タロウ     「あとは……弁護士の浦野さんにイロイロ聞いたしさ……。」

学生風    「ふむふむ……。」

タロウ     「まぁ……浦野さんに聞く前に、ネットで民法とか刑法とかのサイトがあるから……。」

学生風    「……ホントにそれだけですか?」

タロウ     「それだけ……。」


驚く3人。


タロウ     「ま……なんとかなるもんだよ……。」

3人      「……………。」


せっかくなのでとっておきを教える。


タロウ     「あとさ……。」


聞き入る3人。


タロウ     「裁判所の書記官さんとか相談センターの職員さんに……。」

学生風    「ふむふむ」

タロウ     「『手続き上の事しかお答え出来ないのは重々承知しています』と断わった上で……。」

学生風    「ふむふむ。」

タロウ     「『こういうケースはどうするんですか?』……とちょっぴり状況を変えた例を挙げて

         聞き出すんですよ。」

学生風    「なるほど!」

タロウ     「相手も『シロウトだから』と思っているから、多少丁寧に説明してくれるしね……。」


こういうのを処世術と言うのであろうか?

お店やって、イロイロな人と接していて身につけたワザである。


タロウ     「ところでさ……。」

学生風    「はい。」

タロウ     「普通……裁判官ってあんな風にキレないの?」


笑い出す学生風


学生風    「キレないですよーーー!!もっと冷静ですよ!!」

タロウ     「そうなの?」

学生風    「ええ。」


と学生風……


学生風    「今日も午前中に地裁を廻ってたんですけどね……民事と刑事の傍聴に……。」


と顔を見合わせる3人。


学生風    「その時の裁判官は絶対にキレないですね……。」

女性1     「そうだよねー。」

学生風    「って言うか……キレたら大変ですよ……。初めて見ました……裁判官がキレるの……。」


苦笑する3人。


学生風    「ところで……ですね。タロウさん。」

タロウ     「はい?」

学生風    「僕も、法律勉強して間が無いので……あまり的確じゃないとは思うんですが……。」

タロウ     「どした?どした?」

学生風    「原告は、タロウさんがブログで書いている通り……『ネコの所有者証明』『傷の原因証明』

         『自身の予見・予知・予防・過失責任・減価償却の裏づけ』を全てクリアーしなきゃ

         いけないんですけどね……。」

考え込む学生風。


学生風    「タロウさんは『ネコの所有者』が第一争点だと考えていますよね?」

タロウ     「そうだね。」

学生風    「でもそれっておかしくないですか?」

タロウ     「どして?」

学生風    「原告は訴状に『被告は同人住所地で猫を飼っており、同時期頃からその猫が

         原告の自動車の上にたびたび登り。その爪で同車に傷をつけた。』と書いています。」
タロウ     「そうだね……。」


もう一度考え込む学生風。


学生風    「その文章から読むと第一争点は『ネコの所有者』と読めるんですが……。」

タロウ     「ふむ……。」

学生風    「現行の法律でも条令でも『ネコを放し飼いにしてはいけない』と明文化されてませんよね?」

タロウ     「たぶんね……。」

学生風    「だったらタロウさんがネコを飼う事に過失があるわけではないですよね?」

タロウ     「そうなるかな……。」

学生風    「と言う事は『傷』と言う損害を立証するのが先なんじゃないんでしょうか?

         元々、『傷』と言う損害があっての『損害賠償請求』ですから……。」

タロウ     「!!!!!!!!」


考えつきもしなかった!!

言われてみれば確かにそうである。

「傷」を立証出来なければ、その時点で訴訟は終わりである。


前にも書いたが、先程学生風が唱えた内のどれかがコケたら……川畑は終わりである。


学生風    「『傷』が確認されて……『ネコがつけたもの』と立証されて……

         それで初めて『シロクロが車に乗っているから犯人はシロクロ』と状況からの

         推察が許されると思うんです。」


タロウ聞き入る。


学生風    「そこまで来てやっと……『シロクロの所有者』が誰かって争点になると思うんです。」


……………。


タロウ     「じゃあ……っえ?……という事は……川畑自身、『傷』をキチンと立証していないから

         その時点で自滅してるって事?」

学生風    「そういう事になりますね……。」

タロウ     「!!!!!!!!」


二度ビックリである。


まじか……。

今までの数々の証拠調べも全て……

川畑が「傷」を立証した後に論じる話であったか!


ちょっぴり驚きで放心状態のワタシ……。


慰めるように学生風……。


学生風    「まぁ……でも……ほら……。どれかコケた時点で原告はアウトですから……

         決してタロウさんの頑張った証拠集めは無駄ではなかったかと……。」

タロウ     「……そうだね……。」


気を取り直す。

そして質問。


タロウ     「ところで……その今までの過程でさ…川畑は、何個立証してると思う?」

学生風    「う~~~~ん……。」


悩む学生風……


学生風    「本題では……ゼロですね。」

タロウ     「ぷっ!!」

学生風    「唯一立証してるとすれば……。」


笑いながら……。


学生風    「山本さんが動物愛護団体をしている事と、引田くんが成人式でスピーチした事。」


……可哀想過ぎる……川畑。


この後、5時になるまでイロイロ雑談をし、駅へ。

ワタシの店が近かったので店の前を通り


タロウ     「ここが私の店だからー。今度遊びに来てね。」


などと営業もする。


3人      「今日は御疲れ様でしたー。ご馳走様でしたー。」

タロウ     「じゃあねー。」


とバイバイ。


今度は裁判じゃなくうちのお店へのご来店をお待ちしております。

                               臨時オフ イラスト:

以下次号。



PS.お茶会にご参加下さった御三人様、

   ネタにしようかどうしようかと思いましたが…やっぱり書いちゃいました。

   いやいや…楽しかったので…「削除依頼」はしないで下さいm(__)m