再び浦野さん

原告準備書面に対する被告準備書面完成の折、

弁護士の浦野さんにメールで内容を送っておいた。

金曜日の夜の事である。

早速今日の午後、浦野さんから電話があった。

浦野さん　　　「前回の答弁書と今回の原告準備書面、被告準備書面みました」

タロウ　　　　　「ありがとうございますー」

浦野さん　　　「で…。」

タロウ　　　　　「はい」

浦野さん　　　「見難いですね。この原告準備書面…。」

第一声の感想がこれか…。

ワタシもそう思う…。

タロウ　　　　　「でしょ。」

浦野さん　　　「せめて番号とか記号を振っていただけないと…」

タロウ　　　　　「じゃ、明日チクっと言ってみます。」

浦野さん　　　「言ってみなくてもいいですけど…」

タロウ　　　　　「ま、言っておきます。今後、こちらが作成する時も、面倒なので」

浦野さん　　　「で…。具体的な修正箇所なのですが…。」

タロウ　　　　　「はい。」

ちょっと姿勢を正す。

浦野さん　　　「此処の箇所ですね。これをこう書いた方が裁判所に対して見やすいかと…」

タロウ　　　　　「ふむふむ。」

浦野さん　　　「此処はこう書いた方がいいですね。」

タロウ　　　　　「ふむふむ。」

まだ準備書面を公開していないので、今日はこんな感じで勘弁していただきたい。

浦野さん　　　「このあたりは…。あとで名誉毀損とか言われてもツマンナイのでカットで…。」

タロウ　　　　　「……。はい。」

皮肉りまくった箇所である。

もう少し、柔らかにせよとの指示だ。

浦野さん　　　「こんなところですね。ところでこの書面は明日提出しますか？」

タロウ　　　　　「いや。どっちでも」

浦野さん　　　「そうですね。金曜に来た書類ですから、慌てて作製することもないですよ」

タロウ　　　　　「ですね。」

浦野さん　　　「まぁ、早く出せば裁判所に対して『被告は早く解決したい』って事を

　　　　　　　　　　アピールできるかもですが」

タロウ　　　　　「なるほど」

……。っと間があり。

タロウ　　　　　「そういえば、明日、証人尋問と原告被告の尋問があるらしいですけど」

浦野さん　　　「もうですか？早いですね。」

タロウ　　　　　「そうなんですか？」

浦野さん　　　「普通は書面で出るものが出尽くしてからですけど。」

タロウ　　　　　「じゃ…。前回の口頭弁論で『出るもので尽くす』と裁判所は思っていたのかも」

浦野さん　　　「なるほど…。原告からはこれ以上の書証・証拠が出ない様子だったんですね。前回」

タロウ　　　　　「そうですね。」

浦野さん　　　「なら、そういう進展も納得いきますね」

タロウ　　　　　「で…。こちらから原告に対して質問できます？」

浦野さん　　　「できますよ。…ただ、この準備書面が出されたのなら、

　　　　　　　　　　明日尋問があるかどうかはわかりませんが…。」

タロウ　　　　　「なるほど…。」

めんどくさいこと極まりない。

タロウ　　　　　「じゃ一応、原告に対する質問事項を作っておいたほうがいいですね」

浦野さん　　　「ですね。」

浦野さん親切である。

別にキチンと依頼している訳でもないし……。

それに儲からない仕事なのに…。

浦野さん　　　「あと、質問ありますか？」

タロウ　　　　　「まだ、長引きますかね？」

浦野さん　　　「そうですねー。相手が準備書面を作ってきてますから、それに対してコチラが作って…」

タロウ　　　　　「ふむふむ。」

浦野さん　　　「まだまだです。」

タロウ　　　　　「まだまだですか。わかりました。」

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電話を切った。

さて明日3時半から第二回口頭弁論である。

もう少し提出書類を直したら寝る事にする。

明日からこのブログも少々忙しくなる…。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 イラスト：妙