待合室
予定の30分も前についたワタシは待合室に通された。
こんな事もあろうかと「週刊アスキー」を持ち込んだ。
「さすがにマンガはまずかろう」という配慮も若干あった。
麦茶が運ばれてきた。
清楚な感じの綺麗な人だった。
多分さっきの玄関での人であろう……。
「人間、緊張する場所やピンチの場所で出会う異性に対する評価は2割り増し」と何かの本で読んだ。
看護婦さんが綺麗に見えるのもこういう事情らしい。
だからこの「麦茶」の人が綺麗に見えたのかもしれない。
そんな他愛もない事を考えつつ「週刊アスキー」を広げた。
……30分。
結構マッタリ出来る時間である。
タバコが吸いたいのであるが、灰皿が見当たらない。
「禁煙なのか?」と思いつつも、呼び出すわけもいかず我慢。
内線電話で「禁煙ですか?」と聞くのも気まずいからだ。
飛行機に乗ったつもりで我慢である。
まあ、禁断症状が出るほどのヘビースモーカーでもないし…。
ただ、この慣れない雰囲気は少々苦手だ。
だが、弁護士事務所に慣れてしまう人間になるのも少々難有りだ。
独り色々考えてみる。
シュミレーションしてみる。
こういう時間も実に重要だ。
イラスト:妙