保健所 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

保健所

翌日、早速保健所に行ってみた。


受付でとりあえず聞いてみる。


タロウ     「あのー。イヌネコ係の方は?」

受付      「あー。呼んで来ますー」


……………。

担当は勝俣さんらしい。名札をつけて小走りにやってくる。


勝俣さん   「はいはいなんでしょう?」

タロウ     「イヌネコの事で相談が…。」

勝俣さん   「いなくなったの?」

タロウ     「いや。2~3日前に電話で聴いたんですけどね。

          うちが2月の中旬に出した『迷い猫発見』の記録を見せて欲しいんですよ」

勝俣さん   「ちょっと待ってくださいね…。」


そう言うと一冊のバインダーを取り出した。

結構な数である。いっぱいイヌネコが迷子らしい…。


勝俣さん   「えーっと山田さんですね…。これですね。保護の記録」

タロウ     「保護?」

勝俣さん   「ええ。保護。発見されて保護してるんでしょ?」


ちょっと事情が違う…。保護していたらワタシの責任になってしまう…。


タロウ     「保護…。と言うニュアンスはちょっと違うんですが…。

          ただ、見かけるから連絡しただけで…。」

勝俣さん   「そんなことはいいんですよ。「発見者は保護・遺失者は失踪」で分けてるんですから」


それが大問題である。

万が一「保護」などと書かれようものなら、原告(川畑さん)に突っ込まれかねない。


勝俣さん   「パソコンで分類別する時に、仕方ないですよ。あまり項目があると見落としちゃうでしょ」


確かにそのとおりである。


勝俣さん   「で、この記録がどうかしました?」

タロウ     「実は…。赫々云々こういうわけで…・」。」

勝俣さん   「はーーーーー。裁判。またこりゃ大変ですね。」


まさに他人事である。


タロウ     「だからこの通報記録の写しを頂けませんか?証拠にするので。」

勝俣さん   「だから『保護』にこだわってたわけですね。大丈夫ですよ。

         もし、その件で突っ込まれたら説明申し上げるので」


ちょっぴり頼もしい。


勝俣さん   「でも・・・。この資料はコピーして渡せないんですよ」

タロウ     「え?」

勝俣さん   「いくら山田さんの通報記録とはいえ、一応カツヲ市の資料ですから」


状況が飲み込めない…。


勝俣さん   「いわゆる『個人情報保護法案』とか『市政情報公開条例』ってやつです。

          すんなりと出ないんですよ。手続きしてもらわないと…」


世知辛すぎる…。


タロウ     「どうすればいいんですか?」

勝俣さん   「カツヲ市役所に行ってですね…。情報公開センターってところで申請をしてください。」


意識が遠のくのがわかる。めんどくさすぎである…。


タロウ     「他に方法はないんですか?」

勝俣さん   「そういう事情でしたら弁護士の先生から請求があった場合のみ出せますけどね」


そうなると委任しなくてはならない…。最低でも21万…。


タロウ     「じゃ。仕方ないっすね。市役所に行ってきます。」

勝俣さん   「すいませんね。お願いします。」


と言うわけで市役所に行く事になった。

明日にしようかと思ったが、今日このまま行くことにする。

以下次号。

                                  保健所 イラスト: