リアルタイムでのストーンズの最初のシングルでした。
この曲が出た70年代後半は、映画「サタディ・ナイト・フィーバー」などによる、
いわゆる「ディスコ・ブーム」が起きていた時代。
今思えば、この曲は、彼らなりのディスコサウンドへのトライアル
といったところだったのでしょう。
当時のディスコサウンドブームの立役者が、同じようなベテランのビージーズでしたから、
トライアルへの違和感はあまり無かったのだろうなとは思います。
昨年この世を去った「ディスコの女王」ドナ・サマーも
このすぐあと辺りに全盛期を迎える、そんな時代です。
この時期のディスコサウンドの典型的な特徴を一つあげるとすると、
ドラムを演っていた人間としては、「バスドラ」が印象深いです。
バスドラというのは、バスドラム、つまり「大太鼓」のことです。
正確に言うと「ミュートされたバスドラによる奇数拍に打たれる強いビート」
「ドッ・ドッ・ドッ」というように、ジャストに打ち続けられるビート。
ドナ・サマーの曲やこの「Miss You」などでも顕著です。
しかし、個人的にこの曲を評価する理由は、
こういった当時のブームや趨勢とは全く関係ありません。
やはりこの曲でも、スト―ンズらしい「一瞬の閃きと冴え」があるからです。
真っ先にあげたいのが「ミドルエイト」のコーラス部分です。
キースとロンが、ミックに先行してコーラスを伸ばしていき、
一小節毎に、規則的にコードとバスラインがひとつづつ下がっていきます。
ここがなかなか格好いいんですよ。
しかし、スゴク格好いい場面なのに、たった1回しかやりません。
また、展開部以外で使用しているメロディー音は、ミックのシャウトや語り口調を除くと、
ヴァ―ス、サビともに基本的には僅か「四音=G・A・C・D」でできています。この曲の場合、
「ウ―ウ、ウ―ウッウウウ」とか「アーア、アーアアアア」の部分が実はサビとなりますが、
ヴァ―スもほとんど同じメロディです。なかなか強引でラフな作曲で、
ストーンズらしいといえばストーンズらしいです。
ちなみに、「ミドルエイト」とはヴァ―スとサビ以外の展開部の事で、
4/4拍子の多いロックでは、多くの場合、中間部の8小節なのでこういいます。
「起承転結」における「転」に当たります。
大抵は4小節ワンセット×2回の場合が多く、この曲でもそうですね。
第19回「My Ever Changing Moods」(1984)/The Style Council
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