法律ではなく、厚生労働省令で定めたレセプト(診療報酬明細書)のオンライン請求義務化には従う義務がないことの確認を求めた行政訴訟の第4回口頭弁論が2月22日、横浜地裁(佐村浩之裁判長)で開かれ、神奈川県保険医協会の会員開業医を中心とした原告団と国が訴訟取り下げで合意した。原告団の小賀坂徹弁護士は取り下げに当たっての意見陳述で、今後は医療現場の目線に立った医療行政を行うよう求めた。

 2006年4月の改正厚労省令で定められたレセプトのオンライン請求義務化は、昨年11月施行の改正省令で撤回されており、原告団は訴訟を取り下げる方針を示していた。

 小賀坂弁護士は意見陳述で、「行政がいったん決定した政策を、その実行前に撤回することは極めて珍しい。英断であり、その意味で政府、厚労省に敬意を表したい」と述べた。しかし、医師会や保険医協会のアンケートで、医療機関の1-2割が廃業せざるを得ないと答えたにもかかわらず、義務化を厚労省令によって強行しようとしたことは「異常だと言うしかない」とし、「これだけの重大な問題を、厚労省が省令改正という手続きで強行しようとしたことは、法律家として信じられない思いがした。このことが立法事項であることは、誰の目から見ても明らかだったのではないか」と述べた。
 その上で、「医療現場の実情を全く無視して、役所の都合、思惑だけを押し付けるやり方は、オンラインの義務化の問題にとどまらず、これまでの医療行政全般の特徴だった」とし、「医療現場、そして医療を受ける国民の目線に立った医療行政が今後行われることを強く要望する」と語った。


【関連記事】
レセプトオンライン化訴訟、終息へ―神奈川原告団
電子媒体での請求も「原則」の請求方法に―厚労省令改正
オンライン請求の義務化撤回求め初の提訴へ
レセプトオンライン化には「太陽政策」を
「オンライン請求義務化は実現不可能」

14隻にも長時間の空白=羅臼漁協、違法操業を隠ぺいか-国後島沖銃撃・北海道調査(時事通信)
<東京都>五輪招致の赤字は7億円 民間から借り入れへ(毎日新聞)
ストックオプション 相次ぐ脱税摘発 「給与認定」最高裁の判断背景(産経新聞)
<裁判員裁判>凶器の工具など証拠品確認 鳥取の強盗殺人(毎日新聞)
クレジットnimokaの使い方について質問です