『やすらぎの郷 第25週』

2017/04/03-

脚本　倉本聰
演出　藤田明二、阿部雄一、池添博、唐木希浩
音楽　島健
主題歌　慕情/中島みゆき

出演　
菊村栄/石坂浩二
白川冴子（お嬢）/浅丘ルリ子
及川しのぶ/有馬稲子
水谷マヤ/加賀まりこ
名倉みどり/草刈民代
三井路子/五月みどり
松岡伸子/常盤貴子
名倉修平/名高達男
井深涼子/野際陽子
高井秀次/藤竜也
菊村律子/風吹ジュン
財前ゆかり（ハッピー）/松岡茉優
真野六郎（マロ）/ミッキー・カーチス
九条摂子（姫）/八千草薫
岩倉正臣（大納言）/山本圭
白鳥洋介/上條恒彦
榊原アザミ/清野菜名

三角寛次/山谷初男
堺田俵介/毒蝮三太夫
貝田英信/藤木孝
原田/伊吹吾郎
那須/倉田保昭
中井竜介/中村龍史

宮下一馬/平野勇樹
川添夕子/松本ふみか
風間ぬい子/広山詞葉
三枝奈々/東松史子
中里正/加藤久雅
進藤秀夫/山下澄人
橋本忠吉/納谷真大
野村伊三郎/芳野史朗
菅野平助/西岡ゆん
村松豊/福崎峻介
冲正之/熊澤洋幸
千倉和夫/森谷勇太
荒木実/関健介
正岡治/池田絢亮
田辺三郎/湯川尚樹

ゲスト
川添純一郎/品川徹
加納英吉/織本順吉

第25週あらすじ

深夜、
「やすらぎの郷」創設者・加納に呼び出されて出向く栄。
既に瀕死の状態にあるらしい。
面会まで、参謀の川添と語る栄。

加納と川添が出会った戦争のこと、
加納が「やすらぎの郷」を創設しようと思ったのは
芸能界のドンと言われた加納に不義理を働き、
周囲の忖度で干された
女優のオオミチヨウコの孤独死がきっかけだったこと、
そして、加納にとって
永遠の心の恋人だった節子の存在。
大衆に夢を与えながら、
報われない芸能人の末路について胸を痛めてのことだった。

加納と対面する栄。
加納は敗戦後の日本に
テレビがくれた夢について語る。
だが、日本人はそれを
下らないものになり下げてしまった、と。
「大笑い　三十年の　馬鹿騒ぎ」とつぶやき、
自分が死んだら錨をつけて
海に沈めて欲しい（＝海軍の水葬）と言い、彼は亡くなった。

密葬。
そこには川添の孫である夕子の姿もあった。

本人の希望からか、祭壇も花もなく、
加納は「海軍士官」として亡くなった。
棺には節子の遺骨の一部も入れられた。

川添から、加納が戦地に残されたままの
遺骨を収集していたことを聞く栄。
その際に、事情を知らない
テレビのお笑い番組のロケ収録と揉めたことがあったが、
加納にひれ伏したのだとか。

「やすらぎの郷」の存続については、
財団に莫大な資金があることで
継続されることを修平から聞く。
だが、住民の動揺のことを考え、
加納の死はしばらくは
秀次と白鳥以外には伏せるように言われる。

加納の言葉を思い出しながら仮眠した栄。
目覚めた彼は、慟哭する川添の姿を見る。

そして翌朝、
加納は海へと還って行った。

午後、戻った栄は
秀次と白鳥に話をする。

栄は亡くなる直前に
加納が誰かに敬礼したことを思い出した。
一体誰にしたのだろうか？

などの、自分の話を聞きながら、
口数が少ない秀次に
栄は内心腹を立てる。

栄は伸子に外泊していた理由を尋ねられる。
修平とみどりもここ数日顔を見せない、
ひょっとして加納が亡くなったのでは？と詰め寄られ、
口の軽いマロと交際していることで
自分に信用がないから
内緒にされているのでは？と考える伸子に、
「おまかせします」と応えてしまう栄。

そんな栄に、マロが寄って来て、
女たちがこぞってウェディング・ドレスを
着始めたことを教える。

（感想）

今週は４回。

オオミチヨウコ＝モデルは完全に大原麗子。
ルリ子と仲良しで、
まりことは六本木野獣会つながり。
倉本の作品にもよく出ていた。
自分は好きじゃなかったけど、
死後、物凄い美人であったことに気がついた。

織本順吉・90歳、
壮絶・迫真の演技。

「大笑い　三十年の　馬鹿騒ぎ」

は、石川力夫というヤクザの辞世の句。
「仁義の墓場」（藤田吾郎・著。
1975年深作欣二監督/渡哲也主演で映画化。未見）のモデル。
笑いも悲しみも充足も虚しさも色気も読み取れる、
含みのあるいい句だなと思う。
男として憧れる。

さりげなく、
芸能界とヤクザの関わりを感じさせ…(笑)

いよいよ来週は最終週。

このドラマでは、
石坂、加賀、草刈、ミッキー、名高など
それまで俳優として
別段魅力を感じたことがなかった人たちが印象に残った。
これからは見る目が変わりそう。