『僕の初恋をキミに捧ぐ』

監督　新城毅彦
脚本　坂東賢治
音楽　池頼広
主題歌　僕は君に恋をする/平井堅

出演　井上真央、岡田将生、仲村トオル、杉本哲太、森口遥子、細田よしひこ、原田夏希、
山本学、武内敬子

（あらすじ－ほぼネタバレ）

逞は８歳の時に自分が心臓病で成人まで生きられない事を知った。
担当医・種田（仲村）の娘・繭と恋におち、プロポーズする逞。

時は経ち、逞（岡田）と繭（井上）は中学生になったが、気持ちは変わらない。

だが、余命を自覚した逞は　全寮制の高校へ進学し、繭と別れようと決める。

しかし高校の入学式で新入生代表の挨拶をしたのは繭だった。
彼女は猛勉強をして逞と同じ学校に入ったのである。

二人の仲は相変わらず。

そんな二人に割って入ったのが繭に恋をした鈴谷（細田）。
彼は逞と同じ病気で父を亡くしており、逞に遺された人間の悲しみを訴え、
繭と別れるように言うのだった。
逞は自分と同じ病気の照（原田）と優しさゆえにキス。
その事を繭に告白し、二人は別れてしまう。
　
だが照の急死で逞の心は決まる。
鈴谷に100m走で闘いを挑み、自分が勝ったら2度と繭に近づくな、と言い放ち、
結果は逞の勝利だった。

繭と逞は仲直りし、初めて結ばれる。

逞への臓器提供者が現れた。
だがそれは、事故で脳死状態になった鈴谷だった。
その事を知った逞は手術を拒否し、また鈴谷の家族も
意識のない彼が涙を流したのを見て（症状が好転しているということではない）
提供を止める。

逞の病状が悪化。
繭は土下座して鈴谷の家族に提供を頼むが　断られる。

奇跡的に意識を回復した逞は、繭と共に内緒で病院を抜け出し、
「新婚旅行」と称して遊園地へ行く。
そして、帰らぬ人となってしまった。

逞の遺骨を抱いて、繭は教会で結婚式を挙げる。
「逞を亡くした今の気持ちはとても悲しい。
でもまた同じ悲しみに遇うとしても、やっぱりまた逞に恋をしたい」と思いながら。

（感想）

はっきり言って中高生向き・少女マンガの世界そのもの・
細部の詰めも甘い（臓器移植に対して）・脇役陣も安いメンツで、
特定の人以外は興味を抱かないと思われる作品なんだけど、
悪い映画ではなかった。

逞がとても優しくて良い子で・・・
何とか奇跡が起きてくれないかと、思い入れが入った。
そんな風に感じさせたのは、岡田将生の魅力だと思う。
繭も必死で彼を愛してるし（ちょっとストーカーだけど）
大分常識外れだけど、若さって良いな、と思った。
鈴谷も本当は優しいヤツで、
彼の死は、彼の家族の心情を察すると、やりきれなかった。

井上真央って　子役から上手くアイドル女優に成長した稀有な存在

だと思うけど、いつ観ても「勝気な女の子」役ばかり。