こんな夢を見た
こんな夢を見た。
ぼくがいつも通る道に草原があった。
そこには一本の木が生えていた。
ぼくがいつも通る時間が同じということもあってか
その木のそばには女の人と白い犬がいた。
ぼくは目が悪いのでそこでなにをやってるのか
誰がいるのかよく見ようとは思わなかった。
いつものことなのでぼくは特に気に留めることもなく
それからもその道を通っていた。
ある時、ふと見るとその場所には白い犬だけがいて
次の日も、その次の日も木のそばには白い犬がいるだけで
女の人は姿を見せなかった。
ぼくはあの白い犬はずっとあの場所にいるのだろうか、
飼い主はどこに行ったのだろうと気になり始め、
初めてその草原に足を踏み入れ、木のそばまで行ってみた。
白い犬はぼくを見上げていたがやはり女の人の姿は無かった。
その後ぼくはしばらくその道を通ることが無くなり
犬のこともすっかり忘れてしまっていたのだが、
そこには木だけがあり、白い犬はいなくなっていた。
ぼくがその草原を眺めていると声を掛けられた。
「そこにずっと白い犬がいたの知ってる?」
知らないおばさんだった。
「ええ、あの犬どうしたのかなと思って」
「あの犬の飼い主の人亡くなったらしいの。
あんな変なかっこでずっと立ちつくしているものだから
誰も近寄ろうともしなくてどこの誰かも分からないけどね」
「あんなカッコって?」
「飼い主見たことないの?あんな変態みたいなかっこして
まったく最近の人は何を考えてるんだか・・・」
ぼくは目が良くないので飼い主がどんなかっこだったのか実は見ていなかったのだ。
ぼくが見ていた白いワンピースの女の人は
草原に白い犬と一緒にいる飼い主というイメージを脳が勝手につくりあげていたのかもしれない。
おばさんが「変態だ」という話によるといわゆるボンデージファッションという、
SM嬢みたいなかっこだったらしい。
「それでね、聞いた話なんだけど、
その人、なんの病気か知らないけど
亡くなった原因が、顔全体から大量に血が噴き出して
出血多量で亡くなったんだって。
飼い犬はその様子を見てて
主人を助けようとしたのか必死で飼い主の顔をなめ続けて、
あの真っ白な犬が真っ赤に染まっていたそうなのよ」
こんな夢を見た。
by t-speed-blog