ミャゴラトーリ公演
「カプレーティとモンテッキ」
カプレーティとモンテッキ、業界用語で略してカプモンと呼ばれています(今GOゲームが流行ってますが)。
これはシェイクスピアの脚本で有名になっているロメオとジュリエッタ(イタリア語読み)の話ですが、原作(ルイージ・ダ・ポルト、又はそれ以前と言われています)は別に存在しています。カプモンGOは、フェリーチェ・ロマーノが脚本した、シェイクスピアとは違う作品です。
シェイクスピアの作品では、ロメオとジュリエッタの出会いのエピソードなどを描きながら、悲惨な環境の中で育まれていく若い2人の悲恋が、その作品主題になっています。しかし、ロマーノのカプモンGOは、ロメオとジュリエッタは既に愛し合っています。しかもその愛は神が結び合わせたかのような、普遍の愛とも言うような愛です。そして敵対する両家。その対立もまた、お互いに自らの正義を信じて疑わない両陣営が結果的に悲惨な殺戮を作り出していくという、言わばこの世に存在する普遍の争いであるかのような対立です。
なので、シェイクスピアのような等身大の脚本ではなく、各シーンが詩を綴っていくような、象徴的描き方が多いです。それがベッリーニの音楽と共に至高の美しさを作り出しています。
今回の公演の演出意図でもありますが、ロマーノが脚本し、ベッリーニが作曲した時代のイタリア、即ちイタリア統一運動に揺れて全土を殺戮に巻き込んでいった時代の戦争の悲しみを、ロメオとジュリエッタの時代に重ねて作ったのではないかと。ならば、それを僕達はまた、僕達の時代にも重ねて作ろうと、
僕達は反戦の思いを込めて作っています。
誠心誠意を込めて作っています。
両日共、チケット発売中です。
興味を持って下さる方、どうぞお運び下さいますようにお願い致します。
ベッリーニ『カプレーティとモンテッキ』
8月5日、6日
牛込箪笥ホール
全席自由・5000円
指揮・柴田真郁
演出・岩田達宗
ピアノ・星和代
★8月5日(金)19時開演
ロメオ・寺田宗永
ジュリエッタ・高橋絵理
テバルド・布施雅也
カペッリオ・大沼徹
ロレンツォ・大澤恒夫
★6日(土)15時開演
ロメオ・森山京子
ジュリエッタ・平野雅世
テバルド・青柳素晴
カペッリオ・須藤慎吾
ロレンツォ・藪内俊弥
舞台監督・荒牧大道
照明・しもだめぐみ
合唱指導・石塚幹信
稽古ピアノ・神保道子
制作・NPO法人オペラ普及団体ミャゴラトーリ
首藤史織
問い合わせ・shuto@miagolatori.com
070-5553-1742