先日のブログに続いては、北端 康良氏の著書「自分の秘密」をご紹介。
高らかな夢を描きつつも自信が持てず、人生に惑う全ての人におすすめです。
"才能心理学" として才能の源泉をたどる主旨や、そのタイトルは若干とっつきにくいですが、
淡々と、しかし的確に進む分析と解析は秀でた見地で、理解しやすく学びが多い。
スティーブ・ジョブズ、ジョン・レノン、ココ・シャネル、宮沢賢治、坂本龍馬、孫正義など、
偉人たちの生涯がダイジェストにまとめられた前半部分は、読み物としても楽しめます。
"ある人 / ない人" に分類する、才能マトリクスで進める出生のルーツに迫る部分よりも、
エンディングとなる「第5の秘密 才能の闇」が与えてくれるメッセージが衝撃的。
帯に書かれた「何をするために、生まれてきたのか。」という永遠の命題に、
もはや解答とも言えるように導く、鋭いヒントがなんともズドンときます。
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「資本主義のネガティブな側面は、経済的な豊かさを手に入れる代償として、
時間と心の平安を差し出すシステムだということ」
「人は、誰もが自分の信じるものを証明するために生きている」
「主観がほかの大勢の人が望むものと一致したとき、熱烈な支持を受け、世界に広がる」
「素晴らしい才能があったとしても、誰からも必要とされなければ、それは単なる凄い技。
驚かれはしても、人の支持を得ることはできない」
「才能とは、必要としてくれる人がいてこそ成り立つもの」
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芥川龍之介が自殺の動機として遺書に記した言葉「僕の将来に対する唯ぼんやりした不安」
ネガティブなニュアンスではないですが、ここ数年ずっと胸の奥にあったその「ぼんやりした不安」
独立してから常に心底に薄らと張り付く、生涯つき合うべきなのであろう恐怖心で、
きっと誰もが心の内に微かに抱える、人生への疑念や懐疑心。
そんな、ある種の原動力でもあるけれど、どこかまとわりつくような危惧を払拭する、
著者の恩師の言葉として紹介された、去りがたいほど美しい人生の神秘への珠玉の言葉。
「人生とは体験すること」
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"ジャケ買い" しそうに美しい装幀。
重厚なハードカバーですが読みやすい内容で、
「人生の目的」に触れることができます。