今日(5/10)、東京ビックサイトで開催されていた「組込みシステム開発技術展」の基調講演「『オープン』化する組込みシステム」(東京大学大学院 教授の坂村健先生)を聞いてきた。
結構日頃考えていたことを、的確に、そして切れ味良くズバッと切った話が聞けて、久々に納得がいって、(先生が描いている)未来も若干見えた気がした。

最初の掴みは、「オープン化」の重要性。
ソフトウェアは20年以上前からオープンだった。
(もちろん、TRONもオープン・ソースだった)
そして、組込みもオープン化となる。

その説明の際に、「スマートフォンとは何か?」の問いが。
対抗するガラ携は「強いクローズ志向」に基づくプラットフォーム。
要は、キャリア独占じゃないプラットフォームが「スマートフォン」
けど、今の携帯キャリアは、Androidにまた独自アプリを入れようとする。それがまた、できが悪い。どうしてそんなトンマなことをするのか!(って、携帯キャリアを敵にまわす発言されていた)
日本はかつてのクローズ戦略の成功体験から抜け出せていない。
しかし、スマートフォンはイノベーションを引き起こす。

日本の携帯は、昔はキャリア主導で仕様を作っていたが、それが上手くいかなくなると、すぐに万歳してしまい、輸入に頼り切ってしまう。
(これも、携帯キャリアの逆鱗に触れるよなぁ)

ただし、イノベーションは進化論の世界。やってみないとわからないし、1000回に3回ぐらいの成功率。これまでのターゲッティング型の政策には効果はない。

組込み機器は組込みに特化する。とにかく分散システムにするのが良い。
軽量にして、ネットワークにつなげる。
Android, LinuxはUIに重点を置いたスマートフォンが使えばよい。
(要は、組込み機器はTRON系と言われたいらしい)
UIとかはスマートフォンにまかせれば良い。

そのためには、IPv6が重要。けどIPv6さえ重い場合は、uIDアーキテクチャ(なんでもかんでも128ビットのIDを付ける坂村先生の提案)を使うのがよい。

今T-KERNELは2.0とT2EXとなってライトウェイトの組込みに特化している。
何か複雑なことをやらすなら、組込みハイパーバイザー上で、複数OSを動かして、連携すればよい(って、これはあまり具体的な話はなかった)

結局は、今後どのようにやっていくかという事において、本質は「ガバナンス・チェンジ」。
技術だけ分散させてもうまく行かない。

以上。