習慣化コンサルタントの古川です。
1.なぜ人によって悩みの深さに違いが出るのか?
AさんとBさんは、クレーム対応を受ける
コールセンターで働いています。
Aさんは、クレームを受けると
とてもショックを受けます。
「こんな商品売っているなんてどういうつもりだ。
その対応はなんだ」
と言われるとがっくり落ち込むのです。
自分が否定されたような気がして
平日はストレスで一杯です。
一方、Bさんは、同じクレームを受けても
仕事が終わったらスッキリと気持ちを切り替えることができます。
この違いは何から生まれるのでしょうか?
モノの考え方、受け止め方が違うのは
言うまでもないのですが、
もう少し心理学的に解説をしたいと思います。
2.意識のレベルをどこで受け取るか?
神経言語プログラミングの世界に、
ニューロロジカルレベルという概念があります。
これは、人が物事をどのように受け止めるか、
その深さを知る上でとても分かりやすい概念です。
大きく5つのレベルがあります。
一番下から順に環境、行動、能力、
価値観、自己認識です。
少し解説をしましょう。
レベル1.環境 :自分の周りの人やツール、道具、仕組みやルール
レベル2.行動 :戦略や行動の質・量
レベル3.能力 :自分のスキルの有無、スキルの高低
レベル4.価値観:物事に対する意識レベルや考え方
レベル5.自己認識:あなたの人間性や人格、生まれつきの特性
実は、出来事や問題が起きた時に
どのレベルで捉えているかで落ち込み度合いは変わります。
先ほどのAさんの話でいうと、
「Aさんは、また怒られた。
自分はオペレーターとして他の先輩と違って
うまく対応できない。ダメだなー」
と考えています。
「自分はダメだ」という
自己認識レベルにまで突き刺さってくるのです。
一方、Bさんは、あくまで商品に対する不満
をお客様は言っているのである
と自分と商品を切り離して考えています。
そういう意味では環境レベルで捉えている
と言ってもいいでしょう。
実は、悩みやすい人は、何でも、
「自分は○○に向いていない」
「自分はダメだ」
「自分は自信がない」
という自己認識にあらゆる出来事をつなげ、
自分を責めます。
しかし、Aさんの例と同じように
あくまで商品の問題やクレーム処理の能力であれば
スキルを身につければいいのです。
「私はクレーム対応能力を高める必要がある」
と捉えるのと
「私はオペレーターに向いていない」
と捉えるのとでは随分と違います。
3.レベルを下げると可能性が広がり悩みが軽減する
このニューロロジカルレベルという概念を知っておけば、
出来事をどのレベルで捉えるか、
どのレベルの問題か区別することができます。
たとえば、外国人との会話でうまく単語が出てこない、
話しが通じずイライラされたときに
「私は英語の才能がない」と悩む人は結構いるものです。
この時、心理的なダメージがとても大きいのですが、
忘れてはいけないことは、英語は単なる言語であり、
習熟可能なスキルにすぎません。
スキルの次元で捉えている限り、
自己認識レベルに波及しません。
また、「私は段取りが悪い」という人がいます。
段取りが悪いと何度も言われると私
=段取りが悪い人という公式ができ、
自己認識レベルでショックを受けているのです。
自己認識のレベルは自分の根幹に関わる部分なので、
とてもインパクトが大きいです。
問題や悩みは行動やスキルレベルで
考えるのがいいのです。
4.3週間続く悩み癖が1時間で解決できるようになった
上司に怒られたCさんの悩みを解決してみましょう
対話形式でご紹介しましょう。
Cさん:上司に営業成績が低いことを
会議で責められて落ち込んでいます。
もう3週間あまり営業への意欲が落ちているんです。
古 川:何と言われて怒られたのですか?
Cさん:君は、昨年も営業目標は未達成だった!
今年こそは何とかしてもらわないと困る
とみんなが見ている前で怒られたんです。
古 川:そして、Cさんは今それを聞いて
どのように感じているのですか?
Cさん:私には営業の才能がないのだと思っていて、
それで落ち込んでいるのです。
古 川:ちなみに営業成績はずっと入社から低いのですか?
Cさん:いえ、昨年と今年が連続未達成なんです。
古 川:それまではどうだったのですか?
Cさん:はい、中の上ぐらいの成績で、
5年前は営業部で3位になったことで表彰されました。
古 川:営業で表彰される人が
なぜ営業の才能がないと悩むのですか?
Cさん:うん。。。。
あのときは運が良かったこともあったのです。
古 川:ただ、この10年で2年だけ
連続して未達成なだけなんですよね?
予算達成率は80%ということで認識は合っていますか?
Cさん:まあ、そうです。
古 川:ここ2年は、これまでと何が違うのですか?
Cさん:大きな顧客が3社、後輩の営業に移管されました。
その減少分を上司からは、
私に新規の顧客を開拓することを期待しているのですが、
それがうまく行っていないのです。
古 川:では顧客環境が変わったのですね。
整理すると、未達成になった原因は2つ。
1つは大口顧客3社が後輩に移管されたことで
受注額が減ったという環境の問題と、
2つ目は新規開拓営業がうまくいっていないということですね。
解説
ここで整理されたのは、
顧客が移管されたという営業環境の変化が
1つあったということです。
もちろん、新規開拓営業をして埋めて欲しい
という上司からの期待があったので
それに応える必要はあります。
しかし、この事実をとって
才能がないということにはなりません。
ここまで来れば、
本人も才能がないという次元では考えず、
新規開拓営業がうまく進んでいない
ということに焦点を当てはじめます。
そして、問題は、新規開拓営業のために
必要な行動が取れていないということです。
つまり、行動レベルがうまくいっていないだけなのです。
しかし2年未達成が続き、
上司に怒られると自己評価が下がり、
私は営業としてだめなのではないかと
自己認識レベルで捉えて、落ち込んでいました。
3週間続くダメージは、自己認識からやってきます。
行動レベルで捉える限り、所詮は戦略を変えるか、
行動量を増やすか解決策は明確なので、
「悩む前に動こう」と前向きになれるのです。
このようにニューロロジカルレベルを下げて
捉えると随分と違います。
あなたがうまくいかないことを
「行動・戦略」や「学習できるスキル」
の次元で問題と解決策を考えてみてください。
心理的なダメージは減少し、
前向きに行動する意欲が湧いて来るでしょう。
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