読売新聞の記事を一部引用します。


「日本の常任理事国入り、6年ぶり攻勢かけたが…」
【ニューヨーク=柳沢亨之】国連安全保障理事会の改革をめぐり、日本、ドイツ、インド、ブラジルの4か国(G4)の常任理事国入り阻止を図る中国、イタリア、韓国などの動きが激化、事実上の「反G4」国際会合が16日にローマで開かれる。
(2011年5月16日09時21分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110516-OYT1T00157.htm
(引用終了)


■以前どこかの記事で、国連の潘基文事務総長が国連の分担金を滞納している米国を「踏み倒し屋」と罵倒している記事を見かけました。米国の滞納率をうんぬんする以前に潘基文事務総長の出身国の韓国はどうなのか? 実は韓国の滞納率が一番多くて84%でした。


ことほど左様に、国連という組織は極めておかしい運営をしています。日本人には昔から国連幻想があり、ここに必要以上の期待を抱いている。小沢一郎氏の国連至上主義も誤った国連認識の代表です。


■いつも日本の常任理事国入りが問題になります。ここでも日本の戦略のなさに情けなくなります。国連の分担金の最大は米国の22%、次いで日本の19.5%です。これだけではありません。日本はPKO予算や、WHOユネスコ、さらに海外の地震や津波などの援助も含め、分担金以外に1000億円以上を国連の関連組織に納めています。


アメリカを除く安保理常任理事国は中国、フランス、イギリス、ロシアです。これらの国のずうずうしさは半端じゃありません。中国、ロシアがいる限り日本は絶対に常任理事国入りはできません。これら4カ国の負担の額合計は15.3%で、日本の19.5%に及びません。しかも中国の64%を筆頭に4カ国の合計滞納率も巨額です。滞納総額が当該国の国連分担金の2年分を超えると投票権を喪失するので、各国ともちまちまと最低限の額だけを支払っていると言うことです。


■潘基文事務総長が指摘した米国の滞納率について、米国側は猛反発しました。もちろん韓国自身の滞納率が84%と高いのも反発の理由ですが、米国は分担金と発言力のアンバランスの事を批難しているのです。分担金の上限が22%の米国で、下限が0.001%です。アフリカ諸国の大半がこの中に含まれます。しかもこれらの国々はODAでかろうじて国家経営が成り立っている国です。これらと米国の発言力が同じなんてあり得ない、と米国は反発しているのです。


日本も国連では負担金などで理不尽な扱いを受けています。その中で抗議撤回させなければならないのは「旧敵国条項」です。これは「第二次世界大戦の戦勝国は、敗戦国である日本やドイツが国連憲章に違反したとみなされた場合は、何時いかなる場合においても、これに軍事制裁を科して構わない。そして、敗戦国である日独はそのことを無条件で受け容れなければならない」という決まり事です。この撤回要求をしてこなかった日本の歴代指導者は、もっと厳しく糾弾されるべきです。つまり中国やロシアが「日本はけしからん」と思ったらいつでも「旧敵国条項」を持ち出して武力攻撃することができるのです。


■ところで中国は本当に戦勝国なんでしょうか?本当に国連の常任理事国になる資格があったのでしょうか? 国連とは日本人が考えているような神聖な場所ではありません。胡散臭い大国のエゴがぶつかり合うところです。米国民の中には根強い国連脱退論があります。いっそのこと日本と米国は国連から脱退してもいいんじゃないでしょうか。新たな枠組みなんかいくらでも作れます。日米同盟を中心にしたものや、民主主義国家を中心にしたもの等など。


そんなことで、日本の常任理事国入りのことが記事になると、いつも「ふざけるな、いい加減にしろ」と言いたくなるのです。


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