梅毒の原因菌である梅毒トレポネーマに感染しても、その直後であれば無症状のまま潜伏期間が3週間程続きます。

その後は、感染が起こった性器や口などの粘膜にしこりができるようになります。

そして同時に周囲のリンパ節が腫れる場合もあります。

しこりに痛みは無く、やがてただれたような状態になる事がありますが、5~6週間程で自然に治まるようになります。

その後は、再び無症状のまま潜伏期間が3ヶ月間程続きますが、その間は細菌が血流によって全身へと運ばれ、密やかに病状が進行していきます。

そして、3ヶ月間程経過した頃には、全身に広がった細菌によって梅毒疹(バラ疹)と呼ばれる赤い発疹(紅斑)が全身に現われ、リンパ節の腫れや脱毛が生じるようになります。

その梅毒疹は数週間経つと自然に治まり、その後は皮膚が盛り上がった梅毒性丘疹や、膿を伴う梅毒性膿疱が発生するようになります。

これらの梅毒特有の湿疹や斑点は、痛みや痒みが無く、自然に消失して治まる特徴があります。

この梅毒疹には、梅毒トレポネーマの菌が大量に存在しているため、未感染の人が触る事によって感染する場合があります。

そして、約3年後には、顔や体、筋肉や骨、内臓などの様々な部位に、ゴム腫と呼ばれる大型のしこり(こぶ)ができます。

感染から10年以上経過した時には、体中の血管や神経が侵され、性格の変化、認知症、手足のしびれ、歩行障害などが起こり、日常生活を送る事が困難になり、やがて命を落とす事になります。