第1局に続き見ごたえのある面白い将棋だった。
最新系の矢倉戦から羽生名人の▲1五香の研究手が出て、プロ棋士からは先手優位の声が多かった。
85手目の▲8四馬で桂と交換したのは驚きの声が多かった。
その後は渡辺竜王が一手ずつ着実に盛り返して、抜群のタイミングで踏みこんで勝利を収めた。
前期の渡辺ー森内戦でも、渡辺竜王は考える時間とあまり時間を置かず先に進める場合とはっきりしていた。今回も同様で深く読みを入れるところではきっちりと入れ、先の局面に進めたいときは、サクサクと指している感じ。74手目△9六歩などはしっかりと読みを入れて打ちこんだ。この時間の使い方の緩急の間合いが絶妙に感じた。
感想戦では、羽生名人が「封じて前後くらいでもうちょっと冴えた攻めがあればと思いましたが、収まってしまってつまらない展開でした」と話されていた。封じ手前に羽生名人が考えていたのは作戦だと思ったが、ここでは局面を優位と意識して決定的な一手を探して時間をとっていたみたいだ。ここでいい手順が発見されていたら羽生名人完勝の将棋だったかもしれない。
第3局も白熱した勝負を期待したい。