その1 | 小説投稿

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暇つぶしに書いた小説を投稿します。

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というわけで、きしまあんなは中学生タレントだった。ま、テレビに出ているので時々声をかけられた。で、適当に返事をしていたが最近、どうせ、忘れられるだけなのに、いちいち愛想を振りまくのがめんどくさくなってきたのであった。で、彼女がとった選択は下を向いて通り過ぎるである。なんか落ち込んでいるのかと思わせるのが作戦であった。そう、彼女は落ち込んでいる人は好感度が上がるという不思議な法則を知っていたのだ。確かに、なんかこう、応援したくなるもの出る。しかしいつもいつも落ち込んでいてはいけないとは思うのであるが。彼女はただ単に、そうやって一石二鳥だと考えていた。最近は勉強も忙しくなってきた。そう、彼女の夢は大学生タレントである。大学生をしながらバイト感覚でタレント的な仕事をしたいと親にいっているのであった。最近なら、八田あやこさんや、まあそのような人々のように働きながら学位も取得してタレントでいけそうなら、就職を断念し、タレントが難しそうなら、就職や、進学を考えていたのであった。まあ、手堅い人生である。ま、大学というところは自由なので、遊ぼうと思えばいくらでも遊べるし、ま、人それぞれなのではないかとおもうが、彼女の場合、夢は、もちろんタレントであるが、無理なら、スチュワーデスだった。なぜか。スチュワーデスはなんといっても海外に行きまくれる。なんでも従業員割引で、海外旅行し放題だそうである。それはおいしい。いきまくって、遊びまくろうという魂胆である。まあ、あまり無茶をしないようにと家族は釘をさすのであった。そう、というわけで彼女は得意科目が英語だった。なぜか。もちろん、外国に行くにはまずは英語だろうということもあったが、それよりも彼女はなぜか、英語の学習法にこだわっていた。自分の我流の学習法を考えていた。そう、彼女はまずは文法の整理だと決め付けていた。そして、文法をぺたぺたとあちこちに張りまくっていた。たとえば家の玄関にやれ、前置詞のonの意味だとかやれ、offは反対だとかなんだとかであった。なんでそんなことをしているのか。家族は一緒に勉強をさせられているような効果があったが、要するに彼女は学習法になんというか好奇心があったのであった。で、科学者が実験をするがごとくに効果的な方法を被験者を自分に設定して実験するという変な性向があったのであった。ので、そんなことをしていたのだ。普通に暗記ちょうなりなんなりで勉強すればいいのにと。母は言うのであるが、あんなはどうしてもやりたくなってしまって、今日もまた新しい文法をぺたぺたとあちこちに張りまくるのであった。しまいに張るところがなくなったら次はいっそのこと、いつも使っているパソコンに張ろうかと考えているのであった。そう、パソコンのデスクトップの中にである。で、なんとか、一日ごとでいや、開くごとで壁紙がかえれないか。そうすれば毎回学習できるし、あれだというわけである。パソコンをやってしまって不毛な時間をすごしたと思わないですむじゃないかと思うのであった。彼女は趣味でパソコンを使い、海外のサイトにアクセスして、ニュースを読むようにしているのであった。少しずつわかるのであるが、どうしても楽しくなくなってしまい、最終的に日本のアニメとかそういうサイトに行ってしまうのであった。まあ、そうやって、自分の夢に向かい少しずつ前進しているのであった。ま、彼女はある日、ある重大な秘密を知らされたのであった。そう、自分の家は忍者の家系であり、そろそろあんなは修行をしないといけないと告げられたのであった。父はあんなを呼びつけた。あんなには兄と妹がいた。しかし父はあんなを選んだ。なぜか。そんな忍者なんてもの男の仕事じゃないか。と彼女は突っ返した。父は言うのであった。実は、お兄さんはお前の兄は、だめだ。試したが、だめだった。あいつはいうことを聞かなかった。だからお前だ。な・なんで私なの。それは5歳のころ。兄は8つであった。兄は父に忍者として基礎的な特訓を受けるはずであった。それが始まるのが、8歳なのだ。まずは相手の考えていることを見抜く訓練だというわけで、兄は父の考えていることを当ててみろといわれたのであった。兄は最初ふざけて、何も考えてないとか、自分の誕生日プレゼントだとか、そういうことを答えていたのであるが、父がちゃんと考えろというのでふてくされ外に遊びに行ってしまったのであった。で、あんなはまだ5歳だったがおちこんでいる父の元にきて、お父さんはきっと、さっきみていたテレビをお兄さんが一緒に見ないからいらいらしていたんだとずばりを指摘したというのであった。見込みの少ない兄を訓練するよりこいつを訓練したほうがいいのではと考えたというのである。それからというもの、父は兄を試そうとしたのであるが、兄は相変わらず言うことをきかなかった。一方、あんなは横から入ってきて、ずばりを指摘することが多かったのであった。今まで、タレント養成所に入れたのも訓練の一環だと父は言うのであった。タレントになんかならなくてもいいのだ。ようはそこで学んでほしかったのは、演技だ。忍者は演技力が非常に重要になる。お前は立派な忍者になれる。父は言うのであった。つづく。

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