バトンの一つを つないでいく使命  | 至誠塾 過去の日誌 タイキダス

至誠塾 過去の日誌 タイキダス

太気拳至誠塾の 塾生による本部・支部の過去の稽古日誌
タイキダス
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最近では、私にとっての太気拳は、武術に留まらず、思想や哲学のような存在となり、毎日の暮らしに欠かす事が出来ない"教え"となってきました。
この間、「身体操法」・「瞑想法」・「呼吸法」など、太気拳の持つ素晴らしさを、存分に体験することができましたのは、 高木先生をはじめ、諸先輩方のご指導の賜物と、感謝しています。


巷間の道場では決して学ぶことができない"心身を鍛える"ノウハウをこの至誠塾で、具体的に学べたことは大きな収穫でした。
今後は、この教えに乗っ取り、じっくり、マイペースで「心・技・体」をバランス良く強化していきたいと思います。
 
そもそも、三日坊主の私が、今日も太気拳を続けられるのは、太気拳のメソッドが 私にフィットしていたからだ と思っています。

 

例えば、自然と一体になる瞑想の「立禅」。

この稽古はいつでも、どこでも、好きな時に、一人で出来ることが、好都合でした。
また、立禅などの基本稽古を毎日続けているうちに、"身体が変わる"という実感が得られるということも、 
太気拳に傾倒していった理由の一つだと思います。
揺りにしろ、這いにしろ、最初はギクシャクして、形もへったくれもないものが、続けている内に、 だんだんスムーズになり、
いつしか力強くできるようになる。 こうなった時の達成感はやみつきになります。 思えば、世の中に数多に存在する武術の中で、太気拳、それも高木先生の至誠塾に入門できたことは奇跡のようなことでした。
数年前、現在は東京でご活躍中のSさんが昇段の挨拶で 「武運があったからこそ、太気拳に巡り会えた」と語られましたが、
私もこの言葉に共感している一人です。
澤井先生が興され、今日、高木先生が伝える、太気拳の世界に関われて、本当に幸せです。

異国の地で王郷斉先生より~、
「日本人に教えたのでなく、澤井に教えた」と いう一言が全てを物語るように、 この拳法を日本に根付かせた 澤井先生の功績は、
古の遣唐使に匹敵する偉業と 万人から称えられる日が 必ず来ると信じています。
しかしながら、澤井先生の時代は、激しい組手の連続で、脱落者が絶えなかったそうですから、 もし私がこの時分に入門していたとしても、太気拳とのご縁はなかったかも知れません。

そう考えると、私の幸運は、この苦い時代を体験した高木先生が自ら、 万人向けに改編した至誠塾に入れたことに尽きると感じられるのです。
至誠塾の昇級システムの基本は稽古の出席日数ですが、 この仕組みを支えているのが、"努力はいつか必ず実を結ぶ"という、
太気拳独特のエビデンス(証拠・根拠)です。
澤井先生は武術を極めることを・・、山に登る事に例えて「幾通りの登山道はあるも、頂上にたどり着ける道は、そうあるものではない。 太気拳は、まさしく頂きまで通じる道だ」とおっしゃったと言いますが、私もやっとその意味がわかるようになりました。

今後は、このお言葉を信じ、ひたすら精進することこそ、偉大なる先達に報いることだと思います。
そして、いつかは、この大事なバトンの一つを つないでいく使命を全うしたいと思います。

塾生A