第76期A級順位戦/3回戦「羽生三冠-久保王将の終盤戦を振り返ろう」
51手目▲9五角。
上図での持ち駒
▲久保王将: 銀2
△羽生三冠: 歩2
昨日行なわれました
大注目の第76期A級順位戦/3回戦
「羽生善治三冠-久保利明王将」の一戦は
上図51手目の局面で夕食休憩に突入。。
16手目△6五銀。
上図での持ち駒
▲久保王将: なし
△羽生三冠: なし
優勝候補同士の直接対決は
先手で得意の「中飛車」を投入した久保王将に対して
居飛車の羽生三冠が早々と銀を戦場へと繰り出し
「急戦」を狙う序盤の進行に。。
41手目▲4六銀。
上図での持ち駒
▲久保王将: なし
△羽生三冠: 歩2
繰り出した銀で
羽生三冠は先手の角を執拗に狙います。。
久保王将は根気良くいなしつつ、上図の局面で
銀交換を仕掛け反撃の糸口を求めますが。。
44手目△6九銀。
上図での持ち駒
▲久保王将: 銀
△羽生三冠: 歩2
銀交換成立直後
羽生三冠は手にした銀を先手陣に投入。
手番を渡さず、飛車・金両取りをかけると。。
48手目△7五金。
上図での持ち駒
▲久保王将: 銀2
△羽生三冠: 歩2
銀との交換で手にした金を即座に
盤上に打ち込み、再び久保角を狙います。。
51手目▲9五角。
上図での持ち駒
▲久保王将: 銀2
△羽生三冠: 歩2
なかなか手番を握れず苦しい展開が続く
久保王将が狙われた角を9筋の端に開き
飛車先を通した上図の局面で夕食休憩に。。
形勢が後手へと傾き始める中で
夜戦に備えてお腹を満たし、あらためて
両者は気と息を整えます。。
【 夕食のオーダー 】
久保王将: 親子丼(上)
羽生三冠: チキンカツ定食
52手目△7五歩。
上図での持ち駒
▲久保王将: 銀2
△羽生三冠: 歩2
夕食休憩明けの一手で
羽生三冠は浮いた金の背後を歩で支え
先手の飛車先を押さえます。。
これは狙いの一着で
有効な一手と見られていましたが、ようやく
手番を握った久保王将は7分の考慮の後。。
53手目▲7四銀。
上図での持ち駒
▲久保王将: 銀
△羽生三冠: 歩2
歩が上がって出来た7四のスペースに
久保王将は手持ちの銀を打ち込みあらためて
反撃の狼煙を上げました。。
ただ、この手はまだ起点を作ったに止まり
後手は次に△6七金や△5五角など味の良い
指したい手が多い局面でもありますが。。
54手目△9四歩。
上図での持ち駒
▲久保王将: 銀
△羽生三冠: 歩2
手の広い局面で羽生三冠の選択は△9四歩。
あくまでも、徹底的に先手の角を狙い続けます。。
この手に対し久保王将は、次に。。
55手目▲7三銀打。
上図での持ち駒
▲久保王将: なし
△羽生三冠: 歩2
もうこれ以上、逃げるのは御免と
6分の考慮の後、角は引かずに手持ちの銀を
羽生飛車のこめかみ目掛けて叩き込み
攻め合いに勝機を求めました。。
58手目△5五角。
上図での持ち駒
▲久保王将: なし
△羽生三冠: 歩3
攻勢強める先手に対して
羽生三冠は角を天王山の位に繰り出し
攻守に利かせてけん制しますが。。
59手目▲8三銀成。
上図での持ち駒
▲久保王将: なし
△羽生三冠: 歩3
久保王将は構うことなく
銀を敵陣に飛び込ませ、いざ勝負を決断。。
羽生三冠は1分の少考で
隣の銀を桂馬で払い(60手目△7三桂)、以下
▲9ニ成銀~△同香~▲7ニ飛~△6五桂~▲9ニ飛成に
△3三銀打をみて、下図67手目▲5九香と進行。。
67手目▲5九香。
上図での持ち駒
▲久保王将: なし
△羽生三冠: 銀、歩3
飛車を捕獲した久保王将はそのまま一気に
攻勢を強め、熱き終盤戦の幕が開きました。。
が、しかし。。
72手目△5七桂不成。
上図での持ち駒
▲久保王将: 歩
△羽生三冠: 銀、歩4
すでに自陣は鉄壁と言わんばかりに
羽生三冠は受けには回らず強く反発。。
グイグイと先手陣に迫ります。。
86手目△5四銀。
上図での持ち駒
▲久保王将: 歩
△羽生三冠: 歩3
将棋界屈指の終盤力を誇る
久保王将は攻守に利かせた大きな指し回しで
何が何でも局面の打開を目指しますが、しかし
羽生三冠は手厚い指し回しで突破を許さず。。
98手目△3八桂成。
上図での持ち駒
▲久保王将: 角、歩3
△羽生三冠: 飛、銀、歩2
磐石の後手陣に攻めあぐね
先手のトーンが下がり始めたところで
羽生三冠は先手陣目掛けて桂馬を飛び込み
駒音高く、勝負を決めに出ました。。
【 投了図・122手目△4五龍 】
投了図での持ち駒
▲久保王将: 桂、歩4
△羽生三冠: 歩4
久保王将は最後まで食らいつきますが
最終盤戦は大差がつき、先手玉を上部につり出し
羽生三冠が龍の王手をかけた上図の局面をみて
無念の投了を告げました。
終局時刻は午後11時53分。
一本筋の通った完勝で会心の白星を飾った
羽生三冠が久保王将の連勝を止め、順位戦成績は
ともに2勝1敗となりました。
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運命のNHK杯は9月3日
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開幕戦は辛勝も
悲願の竜王挑戦へ王手。。
「冬の本場所」竜王戦へ。。
決勝三番勝負がいよいよ開幕。
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王位戦/第3局・一日目の所管
羽生三冠、藤井四段を語る
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藤井四段激戦譜(炎の七番勝負など)