104、新型インフル大流行でも「水道水は安全」

                                  2008年12月04日 14:38

12月2日22時28分配信 医療介護CBニュース

 新型インフルエンザが大流行しても、水道水を飲んで感染が拡大することはない―。東京都水道局は12月2日に東京都庁で開かれた「新型インフルエンザ研究会」(主催・NPO法人事業継続推進機構)で、新型インフルのパンデミック(大流行)時の対応マニュアルの概要を発表した。

 同局によると、過去に伝染病が大流行した際に「水道水を飲むと感染する」といった根拠のないうわさが広まり、住民をさらに混乱させたことがある。このため、対応マニュアルの概要は「鳥インフルエンザウイルスは、表面が壊れやすい外皮膜で覆われているため、塩素剤などの消毒剤によって容易に不活性化できる」として、「塩素消毒が行われている水道水は鳥インフルエンザに対して安全」と明記している。
 また、新型インフルが発生した場合、浄水過程での塩素注入量と給水所での残留塩素量の監視体制を強化し、同時に「水道水が安全であること」をあらゆる広報媒体を利用して周知するとしている。

 同局は、大流行の場合でも「いかに安全な水を、安定的に供給するか」をコンセプトに、対応マニュアルを策定している。政府の試算によると、新型インフル流行時は最大で4割の従業員が欠勤するとされているが、同局は浄水場などの運転管理要員を確保するため、他局への転職者や退職者を含めた業務経験者リストを浄水場ごとにあらかじめ作成しており、緊急時はこのリストを活用して要員を確保するという。

 北里大医学部の和田耕治さん(公衆衛生学)は、「SARS流行時も『バナナを食べると感染する』といった根も葉もないうわさが広まった。新型インフル時もこういったうわさが流れることが想定されるが、住民は冷静になって、正しい情報を得るように心掛けてほしい。また、各事業者も風説の流布などの事態を想定し、積極的な広報など流行時の対策を検討してもらいたい」と呼び掛けている。