神戸連続児童殺傷事件 | 少年犯罪事件史

少年犯罪事件史

2013年11月からスタートしました。少しずつ記事を書いていきます。

1997年(平成9年)兵庫県神戸市須磨区で発生した14歳の少年が起こした児童殺傷事件。
この事件以降、加害者の少年(現在は青年)は少年Aという呼び名が代名詞となった。
死亡2名、重軽傷3名。
メインとなる世間を震撼させた事件は、遺体発見から始まった。


~概要~

1997年(平成9年)の5月、当時小学校6年生の男児の行方が分からず、家族の届出により須磨警察署が公開捜査をしたところから始まった。
男児の名前は、土師淳(はせじゅん)君。病院勤務医の次男である。
行方不明から3日後、公開捜査の翌日に 早朝に出勤した学校管理人が校門前におかれている、人間の頭部を発見。その頭部は、土師淳君のものであった。
登校してくる生徒に顔を見えるよう、校門に背を向けた状態で置かれていた。
学校は大騒ぎになり、生徒は自宅待機。この時、加害者の母親は、自分の息子がかかわっているとはまったく思ってもいなかったと、のちの著書で記している。

同日午後3時、学校から約500メートル離れている通称「タンク山」で淳君の遺体が発見され、その日のうちに捜査本部が設置された。
ブルーバードというセダン車が犯行に使われた等いろいろな目撃証言が出る中、酒鬼薔薇聖斗と名乗り声明文を出していた犯人が捕まるまでに、そう時間はかからなかった。
第一の声明文は、切断された頭部の口に差し込まれ、第二の声明文は、神戸新聞社に届けられた。
テレビ・雑誌・インターネット等ありとあらゆるメディアで取り上げられ、まだ不明な部分については憶測で判断された内容が世間を飛び交っていた。
事件から約1ヶ月で逮捕となり、その数日後には少年の顔が「Focus」という雑誌に掲載される。
のち、半年ほど前に起きたハンマーで女児を殴るという事件の犯行も認めた。


~時系列~

1997年(平成9年)5/24(土)
加害者少年が、人殺し目的で獲物を探しに出かける。ママチャリを使用。
土師淳君が、おじいちゃんの家にでかける。
二人が反対方向からやってきて出会う。
加害者少年は、弟の同級生であった淳君を殺害目的で「カメを見よう」とタンク山にさそう。
手で、そして自分の靴ひもをはずして使い絞殺する。
その場を離れて、南京錠と糸ノコを万引きし、フェンスの南京錠を差し替える。
友人との待ち合わせに行った後、自宅に帰る。
20:50、淳君の家族によって、捜索願が出される。

5/25(日)
金ノコギリと頭部を入れるための黒いビニール袋を持参し、再びタンク山を訪れる。
ノコギリで頭部を切断する。ここで自分の行為に興奮するが、
のち淳君に文句を言われているように感じ、魂を殺すためという名目で
さらに顔をナイフで傷つける。
切断した頭部をリュックにいれ「入角の池」まで運び、鑑賞したあと隠す。
5/26(月)
11:40、淳君の行方不明事件が公開捜査となる。地元住民もあわせて150人が捜索にあたる。
昼過ぎ、入角の池に訪れしばし鑑賞した後、自宅に頭部を持ち帰る。
この時、池の近くで警察に声をかけられているが、普通にやり過ごす。
自宅風呂場で頭部を洗い、自分の部屋の天井裏に隠す。

05/27(火)
真夜中、家を抜け出し自転車で頭部を中学校に運ぶ。
犯行声明文を口に差込み、正門前に置いて5~6分鑑賞した。
06:40、学校管理人(用務員)が人間の頭部を発見し、警察に届け出る。
警察が記者会見を開き、声明文「酒鬼薔薇聖斗」があったことを発表する。

05/30(金)
加害少年は、再び警察に声をかけられるが、このときも普通にやり過ごす。

06/04(水)
神戸新聞社に、第二の犯行声明文が届く。
これに対して、当時の内閣総理大臣・橋本龍太郎から
事件が早く解決するようにとのコメントがでた。

06/28(土)
朝、自宅に訪れた警察によって任意同行を求められ、自供をしはじめる。
19:05、少年逮捕となる。
自宅からは凶器の切り出しナイフが発見された。
年明けに起きた通り魔事件に関しても、少年は犯行を認めた。
この時、両親は何故自分の息子が警察に連れて行かれたのか、よく把握していなかった。

6/29(日)
少年は、男児殺害・死体遺棄容疑で神戸地検に送検される。

07/02(水)
雑誌「FOCUS」フォーカスに、加害者少年の顔写真が掲載される。

07/15(火)
2月と3月に起きた、通学路での女児通り魔事件の犯人として再逮捕される。

07/25(金)
神戸地検が、少年を男児殺害と通り魔事件で神戸家裁に一括送致した。神戸家裁から神戸少年鑑別所に移送。

2004年(平成16年)
少年院を退院していることが法務省に確認済み。用意された別人格のプロフィールで生活をしている。
ネット上では、全国あちこちに彼の所在や出没情報がいまだに出ている状態。


~少年Aの生い立ち~

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