TC療法を5回受けて… 《プラチナ製剤》ぷち歴史~作用する所 | 卵巣がんになった`zaki‘の空間遊泳

卵巣がんになった`zaki‘の空間遊泳

2006年秋「悪性卵巣腫瘍の疑い」と告げられ、治療→再発転移を幾度も繰り返す。
◆受けた治療:手術4回・化学療法5ライン・放射線1回・がんカテーテル治療15回
◆現在: リムパーザ錠服用中
♫ 卵巣がんと長~くお付き合いしている、現役患者です。



プラチナ製剤・特に「シスプラチン」は、古くから抗がん剤の主流として使われてきました。

よく抗がん剤を否定する方たちが使う「殺人兵器」のように書かれている副作用

ひどい吐き気・食欲不振・全身倦怠感…があったのは事実です。

  実は私個人的にも 抗がん剤=洗面器が離せない とのイメージがありましたy’s'''''

白金(プラチナ)原子を持っていることから、抗がん剤の中では「白金(プラチナ)製剤」に区分されています。

一口で言うと

「がん細胞の2本のDNA鎖と結合することで、DNAの複製を阻害しがん細胞を死滅させる」薬です❓❓

はい、よく分からなくて当然です。

まずは、このお薬の生い立ちからご紹介します



記号一番初めの薬となった「シスプラチン」はなんと、1845年に合成されていたんです。

1845年は…日本は幕末でしたねえ…驚き

チョット調べたら「アメリカ捕鯨船(マーケイター・クーパー船長)、浦賀に来航。日本人漂流民を送還する」事があったそうで

有名な《ジョン万次郎》が日本に帰ってきたのは、なんとこの6年後の1851年だそうです。
 …どうでも良い情報すみません

化学名はス-アンミンクロロ白金(ラチナ)で、その頭文字をとってCDDPとも描かれています。


本1960年代後半に、電場の細菌に対する影響を調べている時

《プラチナ電極の分解産物が大腸菌の増殖を抑制した》ことから、

がん細胞に対する研究が行われ、製剤化され1978年に世界で承認されました。

日本では1983年に承認され、今までも多くのがんに対して使われています。


白金製剤の仲間には、化合物の名前が「~プラチン」となっています。

 ・カルボプラチン
 ・シスプラチン
 ・オキサリプラチン
 ・ネダプラチン
 
 …全く覚える必要はありませんヨ。仲間なので、似たような副作用が出るだけです。

ココで先回の復習です。

動画で細胞分裂は、染色体がコピーされて整列してから別れましたよね。



染色体は、一本のDNAが折りたたまれて包まれています。



一つの細胞にこれだけのDNAが入っているくらい、私たちヒトのDNAは実に細いのです。

この二重らせんの太さは「約20Å(オングストローム)」だそうで

1細胞分のDNAの長さを集めてみると、およそ2メートルになると言われています。

 単位の感覚が分かりませんので、以下に書きます(面倒な方、飛ばしてくださいネ)

  ※私たちが使っている「メートル法」で「1㎝=1」と考えますと
    1mm(ミリメートル)   →  10分の1㎝
    1μm(マイクロメートル)  →  1万分の1㎝
    1nm(ナノメートル)    → 1千万分の1㎝
    1Å(オングストローム)  → 1億分の 1㎝
 
とりあえず、一億倍すればDNAの太さは20㎝。細胞膜の厚みは60~80㎝。

ん?ん?このカンジで想像していくと → 赤血球は700~800m(メートル!!)

では、DNAの長さは20万Kmぼー

地球から月までの距離の半分を超えているそうです。

ひともう無理!頭が痛い…と私個人的には想像できません。

一体どれだけの情報が書き込まれているのかおまめ…深く考えないで、驚くことだけにしたいと思います。

以上のように大変小さな世界の中ですが、がん細胞はブレーキの効かない機械のように

ドンドンどんどん、細胞分裂を繰り返しながら栄養補給のために「my血管」まで作り

成長していっているのが、私の中で起こっている現実なのです悔しい!

ここで月光仮面のオジさんの登場です。

カルボプラチンの使い方を見せてもらいましょう。


基本的な働き方は「シスプラチン」と同じですので、以下の動画を参考にしてください



以上のように、複製が製造される過程で【プラチナ製剤】は

モンキーレンチのようにレンチDNAにガッツりと食いつきまして

結果として細胞は壊れてしまうのです。

⇒専門的な言葉では「架橋反応をおこす」と言います。

   


シスプラチンの副作用の特徴として腎不全と吐き気があり、

この副作用の軽減のために開発された薬が「カルボプラチン」です。


現在ではカルボプラチンは他の抗がん剤と併用して使われており、

単剤で使う場合には「シスプラチン」が選択されます。

→現在は腎毒性の改善・制吐剤の発展によって、副作用も軽減されていますので❤大丈夫ですヨ~。

副作用としては

 ○腎障害や骨髄抑制には注意が必要です。

 ○吐き気や嘔吐も、半数以上の人にみられます。

 ○下痢や口内炎、腹痛、便秘、血尿、痺れ、発熱…

 ○耳鳴り・難聴などの聴覚障害や手足がしびれるなどの末梢神経障害が起こることもあります。


えー、ここで実際に私個人のナマの体験を見てください。

全く美しくなく、むしろナマモノが苦手な方はスルーしてくださいネ。

以下は昨年2月8日にした火傷が、やっと治りかけて包帯が取れた21日の写真です。

この足首…
私の代わりに鍋焼きうどんを食べましたあせる

寒い日でしたが、お風呂場で流れる水道水で冷やすこと20分…

幸い水疱が破けることはありませんでした。

  ※火傷をしたら「まず冷たい流水で冷やす!!」のが一番の応急処置です。
   薬は「何も塗らないで」病院に行きましょう!!


TC療法1クール目に入る前の、検査も兼ねた入院中に撮影しました。

抗がん剤できっと崩れるだろうなぁ、と想定していたので

‘何日目か??‘を確かめたかったのです 

→痛い思いがとっても悔しいかったので、ナニカしたかったヘンな人…


はい。点滴後翌日から「火傷のヒリヒリ感」がうっすらと出てきマシタ。

実家に戻って【痛い期間】に突入した2日後の夜には、カサブタはどんどんなくなり

元のナマナマシイ傷跡に体液まで滲み出てきました。


キズ○○ーパッドの特大サイズを買ってきてもらって、自分で様子を見ていました。

でも全然治る気配が見えません。2週間の間に何回張り替えたか…。

大姉と毎日眺めて「目で見る化学療法の効果」と笑いながら

ひたすら忍耐の日々を送った、悲しい記憶になっておりマス。


この様に傷を治そうとして、活発に分裂していた皮膚細胞は

見事に「この抗がん剤によって破壊された」ことが証明されたとも言えるでしょう。


この様な副作用は、プラチナ製剤だけに起こるわけではありません。

タキソールを含む「タキサン系」の抗がん剤でも似たような副作用が見られます。


では次回はタキソールについてご紹介しますねこの手