あるところに、ネコ・カブリ島(じま)がありました。この島の住人はとてもマジメです。
一番偉いカブリネコさんは
「長年続いた我々の医療保険制度は、
そこそこの人口も抱えている島ではありますが、
昔のおネコ様たちが建てた、新しいネコカブリ国になってから
「このお国を発展させよう!」
『おお、素晴らしい。島民は医療保険を使って安心して医療を受けられるニャ』
お国のお役人たちは自画自賛しました。
…この当時ネコ・カブリ島の人口が減るなんて、
お国は住人から「税金」と云う名前のお金を集めて、
を建てました。
この蔵の中には、デデーンと
を入れておく招き猫
の貯金箱”
それぞれの招き猫の額には「文部」「建設」「厚生」ets…
おそるおそる、招き猫の貯金箱の中に入って見ますと…ビックリする程の数のネコ・カブリ役人が
あっちへこっちへ書類を背負って、の様に走り回っているのです。
あ、自己紹介させていただきます。
ワタシは島の首都圏内の端っこに住んでおります、。
シロは本格的に薬業を始める前にいろいろな業種の経験がある、
オマケにお薬渡す人から、お薬もらう人に変身したのでです。
ヤマありタニ
ありの人生を過ごし半世紀を超え
『が空から落ちてきても驚かないと思う』
シロが調剤薬局で働く様になった頃は、
(もしかしたら、半分以下かも)
更に“レセコン”
同年代の以上の方々同様パソコンのない学生生活を送っていました。
→今じゃPC操作出来ない薬剤師は、白い目で見られますがネ。
この「薬剤師変貌の歴史」
卒業したての頃は…「調剤薬局」なんて、見たこともありません
多くの薬剤師は、病院や医院・製薬会社で働いていました。
一包化は…薬匙で白い紙を載せた『
↑懐かしすぎて涙が出るこの器械
「これで一回分の包が簡単に出来る様になった‼︎」
シロはその目で見ました聞きました。
それまでは、四角い薬包紙を手で折ってお渡ししてましたのでね→
ああそれなのに…
二人の⁽コネコカブリ⁾を育てるために戻ってきた業界は大きく変わっていたのです
ナニが変わったって、お国の蔵の中の
のひとつ
医療費と書かれた項目の中に「診療報酬ー医科・歯科・調剤が主体」となっていました。
診療報酬とは、医療保険から医療機関に支払われる治療費のことです。 1点10円で、すべての医療行為について点数が決められています。
「調剤薬局」で患者さんが支払う金額は、基本料金が決まっており
お役人が決めた医療行為~たとえば、お薬を一回分ずつ包みに作る~等
を「行ったときに○点」と、いろいろな項目に対する「点数=報酬」が加算されて
合計のお薬代金が決まります。
もちろん、医薬品自体の金額がベースにありますから、薬が高ければ当然金額は大きくなります。
薬局だって医薬品を、製薬会社から卸さんを通し消費税まで課せられた金額で購入しています。
→この医薬品の値段(薬価)は、ネコカブリ国の機関が決めます。
島生まれか外国生まれかでも結構値段は違ったり、シロもよくわからない事がたくさんの
不思議な不思議な「決まり事」です
でもこの決まりごとに沿って合計金額を出さなければなりません。
なぜかといえば、薬局に処方箋を持ってこられた方々が「医療保険」を使って支払いをすれば
合計金額の30%だけのお金を払えば良いからです。
残りの70%は、各薬局ごとに月1回集計され其々の支払基金に請求書(?)を出して
内容が審査されOKが貰えれば、3ヶ月後に薬局にそのお金は振り込まれる仕組みになっています。
たまに審査員に「コレだめよ」とチェックされ、戻ってくる書類もあります。
→レセプトの返戻(へんれい)といいます。
保険番号の入力間違いくらいなら良いのですが、
「薬Aと薬Zは、一緒に出してはいけません」と、薬学的に理由があったりすることもあります。
または、加算点の付け方の解釈の違いや・重複などのうっかりミスでも書類は戻ってきます。
ただここ数年で90%以上の調剤薬局ではレセコンが仕事をしますから、ずいぶんミスは減りました。
ですがお金の出所がの中の
であるため、国民からも役人からも
かなり厳しいで見張られ、挙句の果てに
「仕組みを理解していないマスコミ」から批判されるようになりました。
シロは、系列の報道機関が特にキライです。
《医療機関は儲けすぎだ!》と、いつもピントのずれた記事を「正義」のように書きたてることが多々あるからです。
一時期ホントにとなって
『社の保険証持ってるヒトは、ソレ使うな!
医療費払いたくないなら、せめて役員全員一般病院行くな!薬局来るな!
薬飲まないで健康づくりしてみろ!!
オタクの社員の方が、よっぽど儲けてるだろうが
我ら保険薬剤師は、退職金の保証さえナインさ!!』
と石でも投げたくなりました。(どこに、ってコトは全く考えずにデスがね)
世間の方々からは「薬数えて渡す人」と思われがちですが…
意外かもしれませんが、機械が活躍しています。
お薬はカセットの中に入っています。
処方箋内容を入力すれば、連動する仕組みになってますので
このように、ガッシャガッシャと1回分に分けられて出てきます。
お名前・服用時などはご希望に応じて変えられますよ。
こちらは散剤(粉薬)の分包機。秤とった薬品の名前と分量が記録されます。
薬局の規模によってですが、シロはどちらも使いました。
人間がセットしないと、機械は動きません。
1‐100までの薬が全部カセットの中に入るわけでもありません。
→この規模の機械を使うトコロなら、100個の20-30倍の種類はあるでしょうね…
今までは、機械が包んでくれたお薬を
『薬剤師が薬のNo・や数を一包づつ確認⇒監査』していましたが
実に時間がかかるし、現実問題として「機械はよく間違えます!!」
仕方ないんです。錠剤やカプセルは大きさにバラツキがあるのでね。
→でもそのクセに、べらぼう高いっ。
なので最近では「間違い探しをして、画像報告する機械」が出ているそうです。
→欲しかったよ~、でもイマサラ使いたくナイ。
更に大学病院なんかでは、患者さんの持ってきたお薬をスキャンすると
機械が自動的に、自分の病院にあるお薬に書き換えてくれるそうな…
うぅ、ヨダレが出そうなくらい楽になってるじゃんか。
でもねぇ…、街のチッコイ薬局がこーんな立派な機械使うと思いますかぁ?
まず、調剤室に入るサイズではありませんし
買いたくても、手が届くお値段ではありません(立派なのはネ)
そして、そこまで多くの患者さんがいらっしゃいマセン。
こういう弱小薬局だって、お隣には何らかのクリニックさんがついているハズ。
シロは大手チェーン店での勤務経験がないので、どんな仕組みなのかわかりません。
が、少なくとも「数店舗」くらいのグループ薬局ならば
絞った雑巾を、さらにギギッと絞りなおして落ちてくるくらい…
の儲けにしかなっていないのがホントの話です。
シロの主にいる薬局は、元農村・今駅周辺のみ住宅地です。
お隣のクリニックさんは皮膚科さんです。
でも患者さんはお隣だけでなく、近隣に住んでいて大学病院に通っている方々も多いデス。
中学生までは負担金「0」なので、お隣の市で貰った処方箋を持ってくる方も多いデス。
お近くの家なら退勤途中でお届けもしますので、会計のみされて帰る患者さん、大好きです。
いつもいる薬剤師は決まっていますので(シロのところは、常勤さんとパートさん。時々シロ)
長く来ていただいている患者さんの情報は、事務さんも含めて把握してあります。
なんとかかんとか、やっとの思いでここまで来たのに
カブリネコ役人が【調剤に支払う金額が伸びすぎている。薬局の数が多すぎるからだろう】
と会合を何度も繰り返して、またまた理解不能なオキテを作りました。
一見すると「大手チェーン薬局が経営困難になりそう」ですが、
じっくり読んでみると、弱小薬局が息切れしそうな内容です。
オキテの内容をクリアして、報酬を頂くには「ネコ薬剤師の頭数が足りない」です。
真面目なカブリネコの多いこの業界では、結構無理して頑張るタイプの方が多くてねぇ。
だからお国は「薬剤師が不足しているからだ」と数年前たくさん薬学部を作り、6年制にしました。
→小学校と同じ時間を費やす!!ということですね。
では、薬剤師は増えたのでしょうか??→NOなんですよ~。
シロは6年制出身の後輩を、調剤薬局で見たことがありません。
もしかしたら、花のお江戸地方には居るのかもしれませんね。
あまりにも親御さんが気の毒で考えたくないのですが…
薬剤師国家試験に合格できなかった相当数の方たちは、今どうなさっている事やら…
これをみても、お国の魂胆はミエミエだなってシロは確信しました。
シロの勝手な解釈です。正しいかどうかは別問題ですので突っ込まないでくださいね。
蔵の
にはしっかり医療費3本分の
は確保されています。
調剤のも減っては居ません。
お役人たちは、書類の数を増やし・内容を複雑(不可能レベル)にして
薬局の請求書額を減らし、自然に薬局数を抑えたいんです。
2030年問題は、すぐに来ます。
その時に合わせた体制を作っていかないと、ネコカブリ島は沈没です。
これから一気に老人層が厚くなりますが、これも期間限定現象なので
少々の混乱はあってもイタシカタない、と方針をだしたのですねぇ。
シロの業界など、最終的に残るのは…
今回は痛い目に遇います、大手さん。結局体力勝負で勝ち残ると思います。
では、弱小薬局さんは??
「薬剤師の免許証」を持つヒトは必要とされるので、力のある方は引き抜かれ
今でもシロに「コラッ」と叱られているような方は、ポイされるでありましょう(合掌)
シロは当然そんな遠い未来のコトは考えられないので、
身体に悪い今回の改訂の資料は、封筒の中にシマイした、とさ。
長々とネコカブリ島の物語をいたしました。
ここで、島の皆さんにカブリモノを脱いでもらいましょう。
エライお役人さんたち…やっぱりキツネさんとかタヌキさんでしたね。
所々には、逃げ足の速いヒョウさんも…。
白衣を脱いだお医者さんは、あらら~。ジコチュウ太郎さんやハナたか子さんも。
でも、中には真面目なヤギ先生や頼もしいクマ先生もいらっしゃって。
やはり、ネコは見かけによりませんね。
あ、シロ。シロは中身ナニか気になりますよね。
さあ、脱いでもらいましょうー。
おしまい
゚ ・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
皆様、シロの中身はナンでしょう。ご想像にお任せいたしまする
最期まで読んでくださったエライ方々に、感謝です。
クダラない話で大変申し訳ありませんでした。
あはは、スッキリしてしまいました(笑