排卵検査薬 ≠ 妊娠検査薬 | 卵巣がんになった`zaki‘の空間遊泳

卵巣がんになった`zaki‘の空間遊泳

2006年秋「悪性卵巣腫瘍の疑い」と告げられ、治療→再発転移を幾度も繰り返す。
◆受けた治療:手術4回・化学療法5ライン・放射線1回・がんカテーテル治療15回
◆現在: リムパーザ錠服用中
♫ 卵巣がんと長~くお付き合いしている、現役患者です。

はてなマーク 先日、薬局に「妊娠判定薬ください」と来られた方がおりました。





ちょうどその日は、在庫が切れていて‘排卵検査薬‘しか置いてなかったそうです。





お客様に「明日には入るのですが・・」と説明(言い訳)したら、「じゃあ、明日」





とお帰りになりました。





この日は、男性薬剤師しかいませんでした。





いくら子持ちの薬剤師でも、男性は女性ホルモン関係は苦手です。





というか、大変複雑なので、頭の痛いお勉強が必要な分野なのです。





「命の誕生」にかかわる分野ですので・・・。





早速注文の確認を、卸会社にしました。





すると電話に出た、彼曰く「歳のいったオバサン」に、こう言われたというのです。





「排卵検査薬でも妊娠判定はできるから、売っても大丈夫でしたよ」と・・・










「??」





私のところに電話が回ってきました。








私 「えっ、でもそれはマズイと思うけど。だって、判定するホルモンは別物でしょう」





「ですよねぇ。でも、きっぱり言われちゃって、自信がなくなりました・・・」





私 「じゃあ、ちょっと調べておきます。とりあえず、目的以外で売らないでおいて下さいね」








私も調査を始めました。





チラッとネットを見てみるたら、いろんな書き込みがしてあります。





「できる」「できない」「怪しい」「私はできた」・・・・








相変わらず、ネットでこの類を引くと情報交錯されていて、何がなにやら分からない状態でした。








なので、この際ついでに情報を公開することにしました。








実は、イロイロな患者さんからも「妊娠する時期っていつですかぁ」なんて質問、何度も受けてます。





すごい方は「今月中に妊娠したいんだけど・・・」というので、計算してあげたらナント‘前日~明日‘という結果が出ました。





「ええ、どうしよう・・」と悩んで帰られました。





私も「頑張って下さい。」としかいえません。





だって、子供は天の授かりものなので、人間の力の及ばないことですからねぇ。








また、男性から「絶対にわかる妊娠検査薬を下さい」と言われたこともあります。





「へっ?この人、子供が欲しいの?欲しくないの?」と思いながら、イロイロ説明しました。





そして「最終的には、婦人科に行くのがベストですよ」と話したら、彼はしぶしぶ告白しました。





一言で言えば、彼女に「妊娠したから結婚して」と迫られているのでした。





・・・生理が1週間遅れている。検査薬を使ったら陰性だった。でも彼女は‘検査薬に出ないこともある・私は妊娠した‘と言い張っている・・・そうです。





「生理が1週間遅れているのに、陽性反応がないのは‘ほぼ妊娠していない‘と私たちは考えますけれど・・・。あと1週間程お待ちになってください」





とアドバイスして帰ってもらいました。








んんっ。やっぱ、人生いろんなことあるさ、と思ってしまいますよ。この商売も因果な商売です。





で、本題です。





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まず、排卵検査薬と妊娠検査薬が何を検知するかを知ってください。






■排卵検査薬:


尿中のヒト黄体形成ホルモン(hLH)の検出する。





黄体形成ホルモン(LH)の変化を捉え、最も妊娠しやすい時期(排卵日)を約1日前に予測する。





■妊娠検査薬:


尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の検出する。




ザックリ言って、検出するホルモンが違うのです。




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が、しかし・・・




この2種のホルモンの構造が、大変よく似ていて「排卵検査薬」でも‘ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)‘を、感知してしまうのだそうです。






hCGは、将来胎盤になる絨毛組織から分泌されるホルモンで、卵子と精子が受精し、子宮内に着床するころに急激に分泌が増えますから、受胎していれば排卵検査薬でも陽性を示すことが多いそうです。






一方、排卵検査薬は、次のような仕組みでできています。




検出するLHホルモンが増えることによって、「排卵せよ」という指令を出しそして、減少していきます。




命令を受けて、実行に移すまでには約1日(24時間)かかりますので





「検査で陽性が出てから36時間以内に排卵が起こる」ことが分かる検査薬なのです。






ついでですが、強く妊娠を希望される方々には「基礎体温」と「排卵検査薬」の両方を使うことをおススメします。






ぐだぐだと、余計なことまで書いてしまいましたが、結論は・・・




○排卵検査薬が、家に余っている方に




→あれっ?もしかして妊娠?ちょっと確かめたいわ~。




余っている検査薬で陽性反応があれば、かなりの確率で期待が持てます。もうしばらく我慢して、産婦人科に行きましょうラブラブ




◎家に何の検査薬もない方に







→あれっ?もしかして・・・。でも、間違いかも~。




迷わずに「妊娠検査薬」を買いましょう。




生理予定日より1週間遅れていたら、妊娠検査薬が‘誤報‘を伝えることはほぼ、ありません。残念ですが・・・






以上の情報は、製薬会社にも確認を取りました。




排卵検査薬で陽性が出たら、「妊娠」の希望は持てますが‘確定‘にはならないことを、覚えておいてください。






で、ここで私の疑問。




電話に出たオバサンは「有り余る知識を持って」言ったのかはてなマーク




それとも「単なる勘違い」で言ったのかはてなマーク






?? それを真剣に悩んでしまった、ザキでしたあせる