もう、20年近くなるが、レスター・R・ブラウンリポート
を読んできた。一番印象に強いのは、1995年に発効された「だれが中国を養うのか?
迫りくる食糧危機の時代」(日本版 今村奈良臣訳 ダイヤモンド社 )であった。
この本が発行された当時の中国は、まだ多くに食料輸入をしていなかった。しかし、レスター・R・ブラウン氏は、水不足が原因で大量な食糧不足が起こると予見したのである。20年前の中国政府は、このリポートに猛反発したのであるが、5年余り経過してから、レスター・R・ブラウン氏の指摘を認めざるを得なくなった。
今日の日経新聞で穀物の輸入国・輸出国の特集が掲載されていた。
この要点を引用します。
輸出 輸入
米国 1億694トン 860万トン
ブラジル 6450万トン 1860万トン
EU 2808万トン 2580万トン
オーストラリア 1955万トン 12万トン
ロシア 1855万トン 165万トン
中国 133万トン 8450万トン
アフリカ 433万トン 5714万トン
東南アジア 104万トン 3018万トン
日本 133万トン 2436万トン
中国は、世界の穀物輸出総量の35%~40%を一国で輸入している。この輸入が出来なかったら、深刻な食糧不足に見舞われているのだ。20年前、レスター・R・ブラウン氏が予測した通りになっている。中国は、人工衛星・空母より、米・小麦・トウモロコシに増産に努力すべきだ。しかし、これは出来ない状態に追い込まれているのだろう。
1年ほど前、中国は日本を念頭に置いて、軍隊に対し「戦争の準備をせよ」という指令を出してことがある。穀物を8450万トンも輸入する国が、戦争など出来るはずがないのである。