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中高年を対象とした「生涯青春の会」の活動を通して体験してことの中で一番大きいのは高齢者の「退化」の早さである。農村部の小さな集落で80歳余りの高齢者がいたとします。ご主人が死亡すると80歳のご婦人ひとりが残されることになる。住宅が点々としており、周辺交流少ないとします。
当会の女性理事(NPOの理事長)の話しによると、上記のような生活環境になった夫人は「1ヵ月で言葉を失う」との話であった。1ヵ月間なにも話をししないと話す能力が失われて行くのである。この話を基金訓練の受講生(3回・累計60名)に話をすると、2人が類似した体験をしていた。一人は22歳の女性、もう一人は40歳の男性であった。
2二人は引きこもりに近い生活で、人との会話の機会がなかったのである。直ぐに言葉が出てこない自分に驚き、生活習慣を変えて乗り越えていた。話は実に単純である。「人は自分の能力を使わないと驚くスピードで退化する」という現実である。
東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県南三陸町で、仮設住宅に住む65歳以上の高齢者の3割が震災後に新たに歩行困難となり、その後回復していないことが分かったという。行政的な対応もあるが、高齢者自身が「体と脳を使わないと驚くスピードで退化する」という認識を深め、それなりの生活習慣を確立すべきである。