毎日新聞 2010年7月3日
【ワシントン古本陽荘】米下院は1日、アフガニスタンへの米軍3万人の追加増派を柱としたアフガン・イラク戦費330億ドル(約2兆9000億円)を含む800億ドル規模の10会計年度補正予算案を可決した。だが、アフガンからの米軍の撤退を求める修正案に、多数の民主党議員が賛成。修正案は否決されたものの、11月の中間選挙を前にリベラル派の民主党議員が多い下院で漂う厭戦(えんせん)ムードが改めて浮き彫りになった。
補正予算案の戦費に関する部分は賛成215、反対210の小差で可決。下院の補正予算案は多額の経済対策や教育予算を追加したため、すでに戦費の補正予算案を可決した上院との修正協議が必要となる。ゲーツ国防長官は4日の独立記念日の休日前の成立を求めていたが、大幅にずれ込む見通しだ。
一方、否決された米軍撤退を求める修正案は、オバマ大統領が来年7月に開始するとしたアフガンからの米軍撤退が始まらなかった場合、議会が戦費を凍結できるとした内容。ペロシ議長を含む民主党153人と共和党9人の計162人が賛成票を投じた。
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