2010年5月16日 毎日新聞
【ロンドン会川晴之】欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、15日発売の独シュピーゲル誌に、現在のユーロ危機について「欧州は第二次世界大戦以来、最大の危機に直面している」との認識を示した。同総裁は、5月第1週は市場が混乱し、08年秋のリーマン・ショック時と同様に「機能しない状態にあった」とも指摘、強い表現で危機感を表明した。
欧州連合(EU)は総額1100億ユーロ(約12.5兆円)のギリシャ支援に続き、10日には国際通貨基金(IMF)と協調して総額7500億ユーロ(約85兆円)のユーロ防衛策を発表した。同時にECBも、ギリシャなど、深刻な財政危機に陥っているユーロ圏諸国の国債を市場から買い取る異例の措置に踏み切った。しかし、危機は収束せず、14日のロンドン市場では一時、1ユーロ=1.2359ドル台をつけた。
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