34、都営・戸山団地:僧侶が電話で人生相談 65歳以上の入居者が6割 | NPO法人生涯青春の会

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         毎日新聞 2010430

 ◇NPOと寺院連携

 65歳以上の入居者が6割を占める新宿区の大規模都営団地「戸山団地」で、地元NPOが4月から寺院と連携して高齢者の悩みを聞く活動を始めた。戸山団地は高齢者世帯の半数が1人暮らし。近所付き合いが少なく1人で悩みを抱える人も多く、よろず相談の経験を持つ僧侶が気軽な話し相手になることで、孤独死や自殺をなくすのが狙いだ。


 NPOは「人と人をつなぐ会」(本庄有由理事長)。約2300世帯、約2800人が暮らす戸山団地では06年以降、約50人が孤独死したとされ、住民間の交流を活性化することで孤独死ゼロを目指そうと団地住民らが07年に設立した。


 焼き芋大会などのイベントを通じ交流を図るほか、携帯電話や自宅に備え付けた機器のボタンを押せばコールセンターの職員が病院の手配や生活相談に乗るサービスの普及を進めてきた。


 コールセンターには「将来のことを考えると眠れない」といった悩みや「自分の葬式は誰が挙げてくれるのか」といった相談が増え、センターでは対応しきれない内容も多かった。このため、同会が人生相談に応じてくれる機関を探したところ、真宗高田派の専修寺関東別院(大田区)が「多様な相談に乗るという寺本来の役割を果たしたい」と引き受けてくれたという。


 話を聞くのは、10年程度の相談経験を持つ僧侶8人。センターを通じて希望を伝えれば、午前9時から午後7時まで電話で悩みを聞く。専修寺の山中俊之輪番は「自分の行く末を案じる人は多い。相談を通じて精神的な救済をしたい」と話している。【馬場直子】